カードゲームにおいて、プレイの一貫性・言語化・理由付けはなぜ重要なのか

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

シャドウバース、というかカードゲーム全般において、プレイの一貫性・言語化・理由付けが重要だと思っているので、それがなぜなのか書きます。

 

ターン制=プレイングスキルは、判断能力のみ

アクションゲーム(ACG)とカードゲーム(CG)を対比させて説明しましょう。

  • ACGは動的、CGは静的
  • ACGは連続的な時間の中で操作、CGはターン制(非連続的な時間)の中で操作
  • ACGがうまい=操作がうまい+判断がうまい、CGがうまい=判断がうまい

アクションゲーム、シューティングゲーム格闘ゲームでは、どんなに優れた判断ができたとしても、それに操作が追いつかなければうまくなることはできませんダッシュで段差を乗り越えるべきということがわかっていたとしても、ダッシュ+ジャンプの入力方法がわからなければ攻略できないでしょう。

一方で、カードゲームでは操作のスキルが求められません。プレイングの選択肢は多いですが、判断さえできてしまえば、プレイング自体に難易度はありません。つまり、操作スキルが不必要な分、判断スキルが問われるゲームと言えます。

僕はカードゲームのプレイングにおいては、判断がすべてだと思っています。

 

「運」に頼らない確率的な判断力

カードゲームは、例えば格闘ゲームに比べて、ランダム要素が含まれています。

100%同じ入力を再現すれば同じゲームが再現できるのが格闘ゲームだとして、カードゲームでは100%同じ入力をしてもゲーム(乱数)が変われば結果は変わります。

カードゲームは、結果にランダム要素が影響する。これを揶揄した言葉が、運ゲーです。シャドウバースの場合、じゃんけん、メンコ、先行ゲー、上振れなどといったスラングもあります。

 

僕は、カードゲームを運ゲーと捉えていては、判断が上達することはないと思っています。某世界王者もこう言っています。

先ほど指摘したように、運要素があるのはカードゲームである以上当たり前です。その運は、相手にだけ有利に働くものではなく、自分と相手に平等に働いています。誰かが特別に運が悪いなんてことはありえないのです。

新たなドローによって不利状況を脱出した(トップ解決)ときにも運ゲーと言われることがあります。もちろんドローには運要素があります。しかし、その試合中にドローカードを多くプレイしていたら、そもそも構築としてドローカードを多く採用していたら、トップ解決できるような状況を事前に作っていたとしたら、それは実力と言えるでしょう。

運要素が含まれるゲームですから、勝率100%のプレイヤーは存在しないでしょう。しかし、勝率40%のプレイヤーと、勝率60%のプレイヤーなら、後者がうまいのは明らかです。

後者は運に対応しながら、できるだけ自分に有利になるようなプレイができているわけです。ランダム要素をプレイによって干渉できないと考えるのではなく、判断の基準にするために確率と捉えることで、勝率を高めることができるでしょう。

カードゲームである以上、ランダム要素は毎回試合に含まれます。それを運ゲーと否定するのではなく、確率的に判断をして勝率を高められるのがうまいカードゲームプレイヤーではないでしょうか。

 

言語化・理由付けがもたらすプレイングの一貫性

さて、確率的な判断をうまくしていくためにはどうすれば良いのでしょうか。

誰でも確実に最低限できることが、プレイングに一貫性をもたせること、そのための言語化と理由付けだと思っています。

 

例えば、マリガンの基準が定まっているか定まっていないかなら、定まっている方がうまくなりうるでしょう。同じリストが来ているのに気分でプレイを変えていたら、ただでさえ確率が含まれるゲームに、気分という乱数すら含まれてしまいます。なんとなく打つ手を変えるということは、カードゲームにおいては判断していない、運任せにすることに近いです。

プレイングを定めてプレイしてさえいれば、判断は上達します。定めたプレイングによりもたらせる結果が悪いとわかってきたら、修正して試せばいいからです。定める試す修正する、いわゆるPDCAサイクルを回すようなことをすれば、判断は着実にうまくなっていきます。一貫性がなければ、いくら試して修正しても、ブレブレのままです。

 

プレイングに一貫性を持たせるために有効なのが、プレイングの言語化と理由付けです。

「マリガンで基本的にこのカードは返すor返さない。先行なら?後攻なら?対面のリーダーによっては?」カードゲームのプレイングは、手なりでプレイしていては選択肢が多く一貫性を持たせられないかもしれません。言語化する、自分なりにルールを予め明白にしておくほうが、確実でスピーディな判断ができるでしょう。

言語化に加えて行えると良いのが、理由付けです。マリガンはどうしてそういう基準になったのか、デッキ構築はどうしてそうなのか、1枚1枚理由が説明できた方が、プレイは確実になります。理由付けがなければ判断に迷い、時間切れや非一貫プレイを招きます。また、理由付けはプレイングの修正のときにも役に立ちます。

たとえその理由付けの内容が間違っていたとしても、「仮説Aは間違っていた、だから次は仮説Bを試そう」と言ったように、より精度の高いプレイングを探すことができます。もしここで理由付けがなければ、「プランAを試した、次はBを試そう、AもBも試したけどどっちが良いかわからない」ということになりかねません。理由付けを的確にできるプレイヤーは、上達が早いでしょう。

 

まとめ

  • カードゲームは操作の介在しない判断のゲーム
  • のせいにするではなく、確率によって判断する
  • 一貫したプレイによって判断は上達。そのための言語化・理由付け

シャドウバースの配信を見ていても、一定以上の実力を持っている人は、言語化・理由付けの能力が高いなと感じます。実力のあるプレイヤーは、たとえ話すのがうまくないとしても、頭の中では言語化・理由付けを行っているはずです。そうでないのに勝てるタイプのプレイヤーもいるかもしれませんが、凡人たる我々が試すべきはまずプレイの一貫化・言語化・理由付けでしょう。

言語化や理由付けが得意かどうかは人によりますし、それがうまくなくても結果を残せれば問題はありません。ただし、僕はそうした考え方があった方が(ないよりは)カードゲームをうまくなることができるのではないかな、という話です。

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。