今日から始める!アーティファクトネメシスの立ち回り徹底解説【ALT環境】

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

アーティファクトネメシス(以下、AFネメシス)の立ち回りを初心者向けに解説していきます

ALT(次元歪曲)環境では安くて安定した強いデッキと言えますが、AFネメシス経験が全くないと「マキナが引けなくて扱えない運ゲー」という印象を抱いてしまうのではないのではないでしょうか。この記事では、「回すのが楽しい!」と思えるに至るまでの、プレイング・回し方言語化していきます。

 

アーティファクトネメシスの魅力

 アーティファクトネメシスの魅力は、デウスエクスマキナ加速装置を組み合わせた盤面の展開・制圧能力です。

デトネーションゲーミング所属のミルさんの29点盤面全処理は、ある種の伝説として語り継がれています。こういうことができるポテンシャルを持ったデッキなんですね。

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ALT環境では、例えば伊達ポセイドン(合計15点)やマナリアウィッチなどの大量展開を全除去できたときは、気持ちいいことこの上ないです。最近遭遇したのは、ミッドレンジビショップによるこんな盤面。

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相手のフォロワーを2体まで減らし盤面を作りつつ、マキナの共鳴効果によって6枚ドローしています(このあと勝ちました)。6ターン目にこんな動きができるデッキ、他にありません!

 

 

AFネメシスは「デッキを作る」デッキ

ALT環境における、AFネメシスの一般的な構築を紹介します。この画像をもとに解説していきます。

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さきほど紹介したように、6-7ターン目にデウスエクスマキナを起動させ、その後加速装置とアーティファクトカードを使って盤面を制圧していくのがこのデッキの目標です。

このデッキが、他のリーダーと異なり、それゆえにプレイングが身につけづらいのは、「デッキを作る」デッキだからです。逆に、その性質さえ理解してしまえば、ある程度は思った通りにデッキを回転させることができます。

以降の記述は、AFネメシスを持ち込んでRAGE Shadowverse 十禍絶傑で王者となったへるんさんのブログ記事「ネメシス立ち回りとかの話」を参考にしています。へるんさんはAFの神です、まずはこれを読んで!!!

 

キーワードは「膨張」と「圧縮」

デッキ作りを制御するためのキーワードは、膨張圧縮です。

AFネメシスとは言いますが、最初からAFカードそのものがデッキに入っているわけではありません。試合中にAFカードをデッキに埋めなければ、マキナ後に強力な展開をすることはできません。デッキの枚数を増やすことを膨張と呼びます。

AFネメシスのデッキには、デッキから「AFカードを引く」カードが存在しています。これによってデッキの枚数を減らすことを、圧縮と呼びます。

おおざっぱに言えば、マキナを引く前は圧縮、マキナを引いた後は膨張を心がけてプレイすれば良いでしょう。

カードの具体例を挙げつつ、膨張と圧縮について考えます。

 

デッキは勝手に「膨張」する

まずは膨張から。

以下の6種のカードが膨張をもたらします。基本的なカードは、2/2/2でAFカードを2枚埋める魔鉄の獅子、機構翼の剣士、イカロスです。

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単純に考えれば、2/2/2をプレイするたび、デッキは2枚増えていく。デッキの枚数が増えれば増えるほど、AFカードを引ける確率は上がりますが、マキナに到達できる確率は下がっていってしまいます。つまり、何も考えずにプレイしていると一生マキナが来ずにゲームが終わる。

埋まる主要なAFカード4種は、次の通り。

 

初心者がまず覚えておきたいのは、序盤は「魔鉄の獅子をプレイしよう。イカロスはできるだけプレイしないようにしよう」ということ。

序盤のデッキ作りにおいて最も価値を持っているのは、コストが軽く1ドローを持っているアナライズAFです。

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 アナライズAFは、デッキに2枚埋めたところで、(プレイしてラストワードを発動させれば)2ドローをもたらします。つまり、実質的な膨張にはなっていないのです。そして、このデッキにはAFカードをサーチできるドローカードがあるので、アナライズAFを適度に埋めることはデッキ回転を速め、マキナ到達の確率を上げます。だから魔鉄は優先してプレイする。魔鉄はネメシスの託宣です。

一方で、マキナが引けていないときにイカロスはできる限りプレイしたくないカードです。本当に初心者の頃は、2-3ターン目にPPが余ってプレイできるカードがイカロスしかないからとイカロスをプレイしていました。AFネメシスはテンポよくプレイすればそれで良いデッキではありません。2枚エンシェントAFを埋めれば、2枚マキナへの到達が遅れます。イカロスは、AFカードを引っこ抜くカードが見えているときか、進化権を使える(AF1ドローできる)ときだけプレイしたいものです。

 

カードの膨張能力を数値化してみましょう。デッキ枚数の観点から、アナライズ・ミスティックを0(1枚埋めて1枚引けるので)、エンシェント・レディアントを+1としてカウントします(レディアントは序盤に引いてもドローにならないので+1とした)。すると、

  • 魔鉄の獅子 0
  • イカロス +2 (進化セットの場合は+1になる)
  • 機構翼の剣士 +1(4種ランダムなので平均)
  • 製造術 -1 (アナライズで0、これと1ドロー)

となります。マキナに到達するという観点ならば、製造>魔鉄>機構翼≧イカロスと言えます。ただし序盤では、イカロスのエンシェントは除去に使えて、機構翼ランダムのレディアントはゴミになってしまうという違いがあります。

また、いくらアナライズの評価点が高いからといって、生命の量産を連打してアナライズを増やして、「10枚埋めたから強い!」とはなりません。場に出してドローに変えるには、タイムラグがあります。2-4枚の意図したAFカードをデッキに埋め、AFサーチカードで引っこ抜いて圧縮をかけていくのが理想的です。

 

デッキを「圧縮」してマキナを探せ

デッキを圧縮するためのAFサーチカードは、以下の5種類です。

基本的カードは、1枚サーチの造られし命・ミリアム(共鳴時チョイス)、熱狂の機兵士非共鳴時1枚サーチかつ共鳴時2枚サーチ異次元からの侵略、ハクラビ

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 AFネメシスの序盤の理想ムーブが、2T魔鉄3T熱狂4Tハーメルンアナライズアナライズ、通称魔鉄熱狂ハメアナアナです。

アナライズを埋めて熱狂を使えば(=アナライズをドローに変換すれば)、デッキは1枚圧縮されます。つまり、デッキがアナライズ限定のときのAFサーチは、実質1ドローカードです。3/2/3で1ドローって破格の性能ですよね。

異次元は4コス4点消滅で2ドロー、ハクラビは5/4/4で2ドローと考えれば、いかにAFネメシスのドローカードが強力かがわかるのではないでしょうか。逆にアナライズ以外のAFがデッキに多いと、AFサーチの価値が落ちることになります(それでもAFカードはパワーですが、マキナを探すのがまずは優先です)。

ハーメルンは、AFサーチカードではありませんが、引いてきたアナライズに使えば実質1ドローになります。積極的にアナライズに使いたいものです。例えば、後攻2Tで魔鉄プレイ、4Tでイカロス進化したとき、1/2の確率でアナライズを引けるので、それに打つなど。もちろん、魔鉄そのものをハーメルンで増やすなど、効率の良い膨張に使うこともありますが。

ミリアムは必ず共鳴で使いましょう。ハクラビ異次元は1ドローであっても価値はあるのですが、ミリアムは絶対共鳴。途中でドローが挟まらなければ、先行は奇数ターン(3,5T)に共鳴、後攻は偶数ターン(2,4T)に共鳴になります。つまり、先行2魔鉄3ミリアム、後攻1製造2ミリアムは基本ムーブです。

 

基本的なゲームプラン

圧縮と膨張のキーワードを踏まえて、基本的なゲームプランをおさらいしてみましょう。

  • 序盤(マキナが手札にないとき):圧縮によってマキナを探す。魔鉄によってアナライズを埋め、AFサーチカードで引っこ抜こう。
  • 序盤(マキナを引いたら):手当たり次第AFを埋め(膨張)、マキナを共鳴置きできるよう調整する。ある程度AFが埋まっていないと、マキナ発動後にトロい展開になる。
  • 6-7T:(必要なら進化権を使い)マキナを起動させる。手札に加速装置があるときは、5-7Tに加速設置しつつマキナが置けると良い。
  • マキナ発動以降:スーパーAFタイム。そのパワー強化のため、加速装置を起動させ続ける。なければ共鳴にして手札交換をしていく。そしてオートメーション、ミリアム、生命の量産によってレディアントAFを埋めつつ、その純度を高める。8-10Tでのフィニッシュを目指す。

ポイントは、序盤に目先の盤面を取るのに惑わされないこと。テンポデッキではなくデッキを作るデッキなので、序盤にダメージを受けて良いのです。そんなことよりマキナを探す! マキナパワーで因果を逆転させましょう。

マキナが引けていないときのプレイングに、AFネメシスの練度があらわれます。5-6Tあたりでマキナが引けていなかったとしても、余計な種類のAFをできるだけ埋めずに、共鳴を意識しながら効率的にAFを引っこ抜きましょう。対面によっては8-9Tのマキナ到達でも勝てます。

加速装置の使い方が肝です。手札に加速装置が見えているときは、すぐにAFを使わずに溜めておいて、5-7Tあたりに加速置きから一気に使えば、進化権を節約しつつデッキを掘ることができます。バリューを高めるために、共鳴状態の異次元とハクラビで2ドローしましょう。一説には、4T、6T、8Tに加速装置が置ければ、マキナがなくてもAFネメシスは十分戦えると言われています。実際そういうふうに綺麗にドローはできないので、マキナを探して引き次第マキナプランに切り替えられるようにするわけですが。

(マキナがキーカードとして目立ちがちですが、加速装置はAFネメシスの心臓となるバグカードです。マキナ込みでAF1枚につき2コスト踏み倒し、さらに1コス相当の突進まで付与するので。マキナ+加速装置はサタンデッキのようなもので、全対面を破壊します。)

 

デッキ相性

リーダーごとの相性は、カードプールと環境によって変化してきます。また、個人的な偏りがあるかもしれないので参考程度に。

簡単に言えば、次のようになると思います。

  • 有利対面:ミッドレンジ、(疾走やバーンではない)コントロール
  • 不利対面:アグロ、疾走デッキ
  • 五分対面(速度次第):バーンデッキ

AFネメシスの強みは、マキナ発動後のAFラッシュでした。レディアントで疾走させるだけでなく、アナライズやエンシェントで盤面も片付けられるのが強みです。つまり、盤面を作りながら戦っていくミッドレンジデッキには有利です。

代わりに、コンボ前提でテンポムーブが少し遅くなるデッキ構成になっていること、アナライズエンシェントAFが体力1で1/1に取られることから、横展開してくるアグロデッキには不利です。まともな回復カードもありません。対アグロは、テンポムーブを心がけつつ、AFカードのアドバンテージを活かし、コンシードしてしまうと勝てます。相手が息切れしてきてからマキナで良いのです。

また、疾走デッキ、バーンデッキに不利です。不利というか、盤面で戦ってこない相手には、盤面が取りやすいデッキという強みが生きません

疾走デッキに対しては、マキナ後にオートメーションからミスティックAFを入れて守護を立てることで対策しましょう。アーカスネクロのような盤面を使わない相手には、加速装置が邪魔になることすらあるので、置くのは慎重に。また、盤面ロックで相手にギルネリーゼを置かれて負け確定したりするので、ボードのクロックを考え、2コスは出しきらず1面空けてレディアントの余地を残すといった工夫が求められます。

対バーンデッキは、速度勝負です。多少加速装置を流してでも、とにかく早期のデッキ圧縮をかけ、横並べとレディアントの圧を7-8Tからかけ続けます。

 

ALT環境で言えば、だいたい次のようになるでしょうか。

  • 有利対面:マナリアウィッチ、サタンドラゴン、ミッドレンジネクロ、聖獅子ビショップ、ミッドレンジビショップ、ミッドレンジエルフ、蝙蝠ヴァンプ
  • 不利対面:ミッドレンジロイヤル、アーカスネクロ、疾走ランプドラゴン、アグロエルフ

 

先行後攻の有利、ミラーマッチについても触れておきましょう。

AFネメシスは、基本的に先行が強いデッキと言えます(ALT環境はだいたいそうとか言わない)。先にマキナを置いて先にレディアント疾走できるのは先行だからです。先行のデメリットは進化権とハンドが少ないことですが、進化権は加速装置+AF、ハンドは豊富なドローカードでカバーできます。特にALT環境に入って、異次元が先行4Tの強い動きとなったことは先行強化を後押ししています。

後攻は、イカロスしか進化時効果フォロワーがいないことが問題点です。リーシェナ、もしくは機動外装を採用する選択肢はあります。ミラーマッチの場合、7-9Tにレディアントに進化を切り、先に攻撃をしかけていく(いわゆるクロックを逆転させる)のが勝ちパターンです。

 

マリガン

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基本的なマリガンを紹介します。

  • 先後共通:製造術、魔鉄、機構翼は合計2枚まで。マキナは単キープ。2コスとセットで熱狂orミリアム。2コスとサーチカードセットでハーメルン
  • 先行:熱狂。(対面によっては侵略、ハクラビ)
  • 後攻:イカロス、すり替わり、加速装置。
  • 返す:生命の量産、オートメーション。

ずれがなければ、先行は奇数ターンで共鳴、後攻は偶数ターンで共鳴になることに注意しましょう。

このデッキの序盤の目標は、マキナを探すために圧縮をかけつつ、フォロワーを展開し盤面を維持すること。序盤の理想ムーブは、先行は魔鉄熱狂ハメアナアナ、後攻は製造ミリアムハメアナです。これに類似した動きをマリガンでは狙います。最初から手元にマキナがなくても、アナライズ絡みでアドバンテージを取れば、自然とマキナを引く余裕が生まれるでしょう。

 

詳しく紹介しませんが、より良くマリガンするため、対面によってマリガンを調整する部分はあります。特に、すり替わり、異次元、ハクラビ、加速装置の部分ですね。

例えば序盤に展開してこない相手なら後攻であってもすり替わりは返してしまった方が良いです。逆に展開してくる相手や、消滅のアドが大きいネクロ対面なら、先行であってもすり替わりをキープすることもあるでしょう。盤面を優先しない相手なら、マキナへの到達を加速させる異次元やハクラビのキープ価値が上がります。

加速装置をマリガンでキープするかどうかは、僕も自信がなく本当に諸説です。先行はハンド不足を招くので返した方が良いです。後攻でも返す人はいるでしょう。展開してくる相手でなければ返しますが、展開してくるなら後手まくりのために必要なカードだと思います。後攻は先行に比べて基本的にテンポを失うわけですが、例えばイカロス進化でアナライズを引いてきてもボードの干渉につながりません。アナライズサーチ自体は強いのですが、先行のテンポに押し切られてしまうのです。後攻のアドバンテージは進化権とハンド枚数ですが、より具体的にAFネメシスの場合は1コストAFを活かすことがアドバンテージの回収になります。そのために加速装置は必要というわけです。でも加速2枚引いたら……というリスクはあるので、イカロスやAFサーチカードとセットでキープとか、柔軟な対応が求められます。むずい!

 

プレイング

時間切れを防ぐために

これでゲームプランの話は伝わったでしょうか。ここからはプレイングの話。

AFネメシスでありがちなのが、時間切れです。シャドウバースでは、1Tに90秒(1分半)の思考時間が用意されています。

AFネメシスに限らず、時間切れにならないために覚えておくべきことは、赤い輪は75秒(残り15秒)の時点で出始めること。シンプルにプレイできる選択肢を最初に考え、理想的なプレイが見えなかったとしても赤い輪が出たら入力を始めるようにしましょう。赤い輪が出たら迷うのは禁止、そのために1通りは最低限のプレイを頭に用意しておくことが必要です。

 

まず心がけるべきは、100点を取ろうとしないことです。時間切れをして30点のプレイングをするリスクを冒さずに、時間通りに60点のプレイングをできるようになることが最初の到達点だと思います。まずは時間通りにプレイできるようになってから、点数は上げていけば良いのです。

特にAFネメシスは共鳴/非共鳴の調整が結果に大きく影響を与え、1ミスが大きなディスアドバンテージにつながります。PP最大値通りに1枚プレイすればそこそこ強いグッドスタッフデッキがプレイミスしにくいのはもちろんですが、PP最大値通りに複数枚プレイするテンポデッキより難しい(慣れが必要)と考えた方が良いです。なぜなら、共鳴調整の関係でプレイの順序が存在すること(展開→バフのようにシンプルでない)、マキナと加速装置の関係でPP回復が存在するからです。

逆に言えば、まず考えるべきは「このターンは共鳴で終えるか?非共鳴で終えるか?」です。手札で共鳴調整できるカードだけに注目し、まずこれを決めてしまいましょう。マキナを置いたターンに共鳴発動できなかった、マキナ効果で手札交換したかったのにできなかった(逆にしてしまった)などが一番悲惨です。1枚ドローカードは共鳴をずらし、2枚ドローカードは共鳴をずらしません。製造術はそのターン中のみ共鳴をずらしますが、共鳴の偶数奇数ターンの入れ替えにはならないので注意しましょう。一番ありがちなミスが製造術によるものかと思います。

次に意識すべきは、選択肢が多いがよく遭遇する、マキナ発動かつ加速装置が場にあるときです。このとき、アナライズとエンシェントはPP-1、レディアントはPP3を消費する計算になります。つまり、アナライズとエンシェントはPP回復カードです。レディアントやその他カードを先にプレイし、アナライズエンシェントで回復、さらに他カードをプレイ……といった順番を覚えておくと良いでしょう。9Tあたりに、レディアンレディアントと出して、アナライズエンシェント回復、さらにレディアントで12点疾走とプレイするという動きは基本ムーブです。あるいは、先AFサーチ、PP回復、さらにAF埋めまたはレディアントも基本。

これだけ覚えておけば、時間切れせずにスムーズにAFネメシスのデッキをプレイしていくことができると思います。

 

デッキ内のAFカードの枚数を覚える?

AFサーチカードを使ったときに引いてくるAFカードを予測するために、デッキに埋められたAFカードの枚数を覚えるに越したことはありません。2/2/2は2枚、量産は3枚、オートメーションは4枚増やします。特に、IKEさんによる記憶術は使いやすいです。

参考:【シャドウバース】 理を超える アーティファクト記憶術 - IKEのカードゲーム雑記

ただし、人間の思考リソースは有限です。僕はすべてのAFカードの枚数を覚えていなくても、十分にAFネメシスは使いこなせると思っています。

まず、画面左のボタンからプレイしたカードが表示できる機能が実装されたことが大きいです(昔はなかった)。使ったAF埋めカードの枚数、抜いたAFカードの枚数を把握すれば、マキナ前のAFカードを認識するのは難しくありません。相手のターン中、次のターンAFサーチをかけようと思っているときは、プレイしたカードをチェックしましょう。

序盤はアナライズとエンシェント、その他の枚数だけ覚えれば良いです。0なのか、1-4なのか、それ以上なのか。0枚でAFサーチかけるのは、ありがちなミスですが、共鳴調整も意図しない形になるので破産につながります。4枚程度なら把握できるでしょう。5枚以上覚えるのは難しいですが、そもそもマキナを引く前に5枚以上のAFカードを埋めないようにプレイしたいものです。

また、マキナが引けたあとは、カードの枚数は覚えきれません。むしろ、デッキのAFカードの割合を意識しておくことが大事だと思います。アナライズだけ大量なのか、種類がバラけているのか、レディアントは0なのか複数あるのか。どのAFカードがめっちゃあって、どれが0なのか。必要な情報は、AFサーチで意図したAFを引けるかどうか、マキナで手札交換したときにAFのパワーを活かせるかどうかでしょう。その判断に細かいAFの枚数は必要なく、むしろ確率的な情報が必要だと思います。十分に圧縮をかけたあとにAFサーチからレディアントフィニッシュするのは、運ゲーでは全くありません。

 

諸説あるカードの評価、採用/非採用の意図

プレイングや採用枚数について、諸説あるカードについて検討していきます。

本当に初心者の方は、ここから先は読み飛ばして大丈夫です。習うより慣れろ。まずは実践してみましょう。

そのうえで、プレイングや構築を煮詰めていくためにカード評価は必要でしょう。(諸説なので、鵜呑みにせずに各自で考えてみてください。評価は僕も自信ないです…笑)

 

生命の量産

2枚構築を試したこともありましたが、3枚に戻りました。AFカードを埋めてさらにそれを引っこ抜いてきてから使うカードなので、いわゆる事故要因ではありますが、それを上回る採用価値があると思います。

  • 圧縮:アナライズに打つことでデッキ圧縮につながります。ハーメルンと似た効果。
  • 共鳴調整:特にマキナの着地に便利。4-5TでハンドにAFを抱えておき、加速を置きながら共鳴調整してマキナ着地できる。
  • テンポ:ミリアムや熱狂からすぐにアナライズを出せる。盤面が強くなるだけでなくデッキ回転につながっている。
  • AFパワー:レディアントが量産できて、4,5,6枚目のオートメーションの役割を果たす。かつ3枚埋めなので相当効率が良い。

一見事故要因に見えて、序盤から終盤まできちんと役割があるのがポイントです。ハーメルンと非常によく似ています。

 

オートメーション

OOT環境から追加された、一見地味だが最強のAF埋めカード

このカードが登場する前のAFネメシスは、フィニッシャーとして造られし獣人・サフィラや鉄鋼の拳闘士を採用していました。その頃はリーサルに9-10Tかかるのが当たり前だったが、オートメーションのおかげで7Tからレディアントがスムーズに走れるようになり、リーサルターンが早まったのです。鉄鋼の拳闘士が4/3/4の実質バニラでレディアント2枚埋めていたことを考えれば、0コスで2枚レディアントがいかにずるいかはわかるのではないでしょうか。

ただし、4枚から2枚をチョイスするという、極めてプレイングが問われるカード。AFのプレイングがうまい人も、気分で埋めている、つまり定式化できずに状況次第でチョイスの仕方が変わる難しいカードです。

 

初心者的には、マキナの共鳴によって手札を流す直前に、エンシェントとレディアントを埋めるのが基本型です。それまではハンドにキープしておきます。エンシェントは加速装置が引けないときの除去として強力で、またレディアントはいわずもがなフィニッシュ手段です。

この変則型として、加速装置が十分に場に残るときは、アナライズとレディアント。疾走対面でどうしても守護が必要なときはミスティックとレディアント、といったチョイスができます。

フィニッシュとは別方向の使い方が、アナライズとミスティックをチョイスする圧縮プランです。例えば後攻2T、オトメあるが2/2/2なしミリアムありのときに、このチョイスは働きます。ミリアムの共鳴効果でAFを引き、次は3Tなのでアナライズでもミスティックでも動けるからです。このように、テンポ的にAFサーチが強力だがデッキにAFカードがないときに、このパターンを検討することがあります。

これに近いのが、アナライズとエンシェントをチョイスするテンポプランです。例えば、異次元やハクラビが共鳴で打てるターンだがデッキにAFにないとき、これなら盤面を取り返せます。

しかし、基本は何か+レディアント、フィニッシャー準備として使うことです。圧縮のために4枚もAFを埋めてしまうのは明らかにノイズなので、どうしてもという場合以外は避けたいもの。

 

機構翼の剣士

上で紹介した構築では2枚になっています。0-3枚で人によってわかれるところでしょう。

0枚にする思想は、機構翼のランダムにAFを埋めるというデメリットを意識したものになります。AFサーチカードの価値は、デッキ内のAFカードの純度、つまり狙ったカードを引けるかどうかに左右されます。なのでそれを乱す機構翼は避けたいわけです。

3枚にする思想は、AFネメシスの事故率の高さです。量産、オトメ、加速、マキナは序盤役に立ちません。AFサーチカードは、まずAFを埋めなければ使えません。つまり、最初に2コスでAFを埋めないと話にならないわけです。なのに、例えば魔鉄イカロスのみなら、2コスが実質6枚のデッキで、それは当然事故りやすいです。(ハーメルン込めれば9ですが)

2コスに向けた全力マリガンした場合、2Tまでに2コスのカードを引ける確率は次のように変わります。

  • 6 75.54%
  • 7 81.15%
  • 8 85.61%
  • 9 89.11%

 参考:【シャドバ】テクニック講座 第5弾【ドロー確率編】【シャドウバース】 - Gamewith

機構翼0枚、2枚の構築を比べると、約10%の差がありますね。実際はさらにマリガンでマキナを探しにいくので、もう少し確率は落ちるでしょう(あるいはマキナの確率を下げる)。

ALT環境では異次元からの侵略が追加され、AFサーチの強化が行われたので、機構翼を採用しやすくなりました。

 

ハクラビ

上で紹介した構築では2枚になっています。0-3枚で人によってわかれるところでしょう。

7TにAF2枚を引いて突進させるようすを魔将軍・ヘクターになぞらえて、魔将軍・ハクラビと呼ばれたことがありました。

ALT環境以前では、4枚目以降のマキナだから抜けるはずがないと思っていましたが、ハクラビすら異次元からの侵略によって減らせるカードになってきました。なんとおそろしいカードなのだ、異次元。

ハクラビと異次元は、共鳴2枚AFドローの点では似ていますが、一長一短のカードです。異次元の方が4コストでコストパフォーマンスは良いのですが、最大の欠点が相手の場にフォロワーがいないと使えないということ。ハクラビならその心配はありません。一方で、ハクラビは出すだけでは盤面に干渉できない、マキナ後は狭い場を使ってしまうというデメリットがあります。

僕はALT環境のAFネメシスのデッキでは、ハクラビとリーシェナのどちらか一方を2枚積むのが良いと思っています。ハクラビの共鳴2ドローはパワーなので、進化権を使ってでも出す価値あるカードです。つまり、進化時効果は働かないが進化を要求するカードの枠として捉えられる、という話ですね。

 

破壊の絶傑・リーシェナ、機動鎧装、サタンAF

取るか?リーシェナプラン

OOTから追加されたカード。リーシャナとよく間違えられているがリーシェナ

進化時に10コストの白き破壊のアーティファクトを加え、それを破壊コストダウンで下げて、黒き破壊のアーティファクトを出せばゲームに勝つ。宿命の語り部・ルーニィの滅亡の予言と似た扱い方のカードです。本体が破壊効果耐性を持っていて、知らない相手がフィルレインから加わる銀氷の吐息や炎の握撃を使ってくれることも、初期の頃はありました。

登場当初は、人形カードでコストダウンを狙った、リーシェナ人形ネメシスにのみ採用されるカードだったと記憶しています。ところが、へるんさんがRAGEでリーシェナ3枚採用したAFネメシスでファイナリストに進出したことから、AFネメシスにリーシェナを採用することが注目されてきました。

基本的には、あくまでもメインはマキナプラン。ただし勝ち筋がマキナのみに依存してしまうため、サブプランとしてリーシェナがあるという考え方になります。つまり、リーシェナAFではなく、AFネメシス+リーシェナというわけです。

 

僕はALT環境でも依然として強いカードだと思っていますが、ハクラビの方を優先しています。

OOT環境は蝙蝠ヴァンパイアが最強の時代。豊富な3点除去の対策として、先4で必殺体力4を立てておくのは有効でした。また、進化してダメージ軽減を持った狂恋の華鎧・ヴィーラを確実に倒せる手段としてリーシェナは使えます。

ALT環境ではヴァンプが減ったため、かつてほどの優先度はなくなりました。リーシェナプランは、結局十分なAFサーチカード、処理のための加速装置を引いていなければ成就できません。また、リーシェナそのものはマキナのサーチに何も関与しません。こうした理由からハクラビの方が安定感があって好みです。

でも、別にリーシェナプランを成就させなくても、つなぎとしてリーシェナを使って、マキナを引き次第マキナプランにするプレイは、弱くはないんですけどね。ネメシスというデッキは進化ターンの大型スタッツに対応しにくい(体力5以上がつらい)、特にロイヤルのヴェインや聖獅子ビショップの救済の聖獅子がつらいのです。でも、ロイヤル相手にリーシェナプランを取ろうとすると、魔導狙撃士・ワルツの浄化の聖弾に「消えな!w」と言われる悲しみ。記事執筆時点はロイヤルがそこそこいる環境なので、リーシェナには消極的になりますが、環境次第でしょう。

ALTの次の環境でAFの基本カードがローテ落ちしてしまって、それでもAFネメシスを組みたいときは、リーシェナプランは間違いなく候補になるでしょう。

 

ついでに、同じく4コストレジェンドの機動鎧装の話を。

4/3/4守護、進化時にコスト3以下のAFカードをデッキから場に出すカード。10枚以上AFカードが破壊されているなら直接召喚というおまけがありますが、その姿を見たものは誰もいないという……(たまに起こりますが、マキナの関係上デッキに残しておくのが難しい)。

リーシェナの代わりに3積んだ構築を使ったことはあり、使用感は悪くはないです。4,5進化できればマキナ到達を早めつつ盤面制圧できます。逆に言えば、進化が使えないとき、後半にゴミになってしまうのが欠点。

採用が検討されるのは、よほどのアグロ環境でしょう。ハクラビという進化権を使わずとも2ドローできる優秀なカードがあるので……。

 

さらについでに、氷獄の王・サタンサタンAFについて。

基本的には、マキナ後に余ったPPで3コストアクセラレートによりコキュートスカードを埋めるのが狙いです。

サタンAFは最初はネタだと思っていましたが、試しに使ってみたらリーシェナプランに並ぶ強さはあると感じました。4枚目以降のオートメーションという認識で、マキナ後に詰め切る強さが増します。

ただし、マキナ前にずっと腐ってしまうという欠点は見過ごせません。ただでさえ腐りやすいカードの多いデッキなのに、その種のカードを足すのは疑問を覚えます(オートメーションはまだ序盤に使いうる)。また、加わるコキュートスデッキにランダム要素があり、ブン回ったときの強さには中毒性がありますが、AFネメシスはそういうガチャをしなくても強いデッキです。採用するにしても、1-2枚が現実的でしょう。

 

虚数物体

1度に受けるダメージを3まで減らす、バーンデッキに有効なカード。

OOT環境では蝙蝠ヴァンプが多かったので採用の価値がありましたが、ALTに入ってバーン一強環境ではなくなり、その価値は下がってきています。

アーカスネクロやレイサムロイヤルには、ほとんど効果を発揮しません。意味があるのがマナリアウィッチ対面ですが、もともとマナリアには有利がついていて、マキナを起動させれば10T前に勝つのは簡単です。

マナリアやサタンやリーシェナには確かに効果的で、それによって勝つプランを生むのはこのカードにしかできないことです。しかし、それ以外の対面、序盤で腐ってしまうことを加味すると、採用する価値を持たないでしょう。大ダメージバーン1強環境のときのみ使える、メタカードという認識です。

虚数物体は、OOTでは確かにAFネメシスが勝つためには必要なカードでした。でも、手札にあったところで盤面干渉にはつながらず、あってもなくても蝙蝠には負けます。OOTにおいて、ヴァンプはメタるデッキではなく自分で持つデッキでしょう(メタったところで根本的にメタりきれてない)。ウィッチのノヴァフレアに似ていて、メタカードの性質が強いものを入れないと勝てないようになってきたら、そのリーダー自体を辞めるのを検討した方が良いです。ALT環境に入って蝙蝠ヴァンプが弱体化し、さらにマナリアウィッチにもナーフが入ったため、AFネメシスは虚数なしで強デッキの仲間入りをしました。

採用するとして1枚(ピン)でしょう。虚数を多数入れれば確かにバーンの対策にはなりますが、そんなことよりノイズを減らして早期のマキナ起動を狙うほうがバーンデッキには強いです。

 

すり替わり、ティル、ロケットナックル、次元断

すり替わりは、3コスで3点消滅+1人形と、最強の除去カードです。

AFとのシナジーがないから……とすり替わり抜きのデッキを回してみたことがありますが、後手で負けます。ただでさえ2/2/2を安定して出しにくいデッキで、先行の相手に序盤で押されるのは主要な負けパターンです。つまり、すり替わりは後攻勝率の向上に大きく貢献しています。

 

世界の扉・ティルは、アクセラレート2で2点消滅効果を持っています。

9コスでデッキからAFカードを出す効果も悪くはないのですが、ALT環境において必要なものではありません。

ティルは採用すべきでないカードと考えています。なぜなら、アクセラレートで攻撃型・防御型ゴーレムというノイズを加えてしまうからです。後手2T2点は強いと思いますが、除去してしのいだところでマキナ到達が遅れてしまうのは本末転倒。デメリットがあっても使う枠はイカロスで間に合っています。ところで、4点消滅しつつ2枚AFを加えるどころか逆に引くカードがあると聞いたのですが……。

流体使いが使われないのと同じです。攻撃型・防御型ゴーレムはAFカードで一見すると弱くはないのですが、リソース供給のあるAFネメシスにおいてはエンハンスが邪魔です。除去カードとして見ても、ゴーレムは2コス3点ですが、AFネメシスには1コス3点という最強のAFカードがあるのでそれで足りています。軽コストのAFカードには、マキナと加速でPP回復の役割が後半生まれますが、ゴーレムにはそれがないのです。

 

ロケットナックルは、2コス3点ダメージ、手札にAFカードがあるならそれを捨てて6ダメージの除去カード。

3点除去として使うならばすり替わりの方が優秀で、すり替わり3枚あればAFネメシスの除去カードは足りています。

このカードの採用が検討されたのは、攻撃不能な原初の竜使いを使った原初ドラゴンがいた環境です。進化置きすると体力5になりネメシスでは処理不能になりますが、ロケットナックルならそれが取れるというわけですね。虚数同様メタカードであり、あまり強いとは言えないでしょう。

次元断は、2コス2点、共鳴なら4点の除去カード。初期のAFネメシスには採用されていました。ミリアムや異次元などAFサーチカードが増え、序盤から引いて盤面干渉できるようになったので、次元断の役目はなくなっています。

 

機構二輪の天使

3/3/3の強スタッツで、アナライズとエンシェントを埋めるカード。つまり、機構翼から序盤のハズレAFを除いてあるから使いやすい。

そう思っていた時期がありました。実際に使ってみると、AFを埋める3コストのカードがいかに使いにくいことか。そもそも2TにAFを埋めるのが理想で、3T以降はそのAFを引っこ抜きたいターンです。3に埋めていたらサーチは4以降になり、立ち上がりが遅くなってしまいます。4ターン目に2/2/2とくっつけられないのも最悪。同じく3コストで、一見すると圧縮につながりそうな鉄杖の機構士が採用されないのも同様の理由。

結論としては、機構二輪を入れるくらいなら素直に機構翼を入れましょう。4枚目以降の機構翼として機構二輪はありますが、AFネメシスにそれを4枚入れるスペースはありません。

一方で機構翼は、ノイズを生み出す懸念があるとはいえ、後半にレディアントを埋めるバリューを持っています。機構二輪を試してから、魔鉄やイカロスに劣り仕方なく採用するカードと思っていた機構翼が、神カードに見えてきました

 

エンシェントブレイダー・ダイン

5/3/5突進全体1ダメージ、AFをたくさん破壊すれば全体5ダメージ。

破壊20コストの起動は無理だろと思っていましたが、レート配信でダインを採用している人を見てから、気になってきています。

使ったことがないので、試してみてから追記します。

 

 

AFネメシス楽しい! もう少しでAFネメシスの環境が終わってしまうのはもったいない。そうだ、AFネメシスを使いながら考えていたことを言語化しておこう……と思ったら、思った以上に長い文章ができあがりました。

マキナや加速の引けなさや重複を嫌ってAFネメシスを避けがちな人もいるかもしれませんが、ぜひこの記事をきっかけにAFネメシスの楽しさを味わっていただければと思います。

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。