【STR環境】ミッドレンジロイヤルのデッキ・プレイング・マリガン解説
どうも、木村(@kimu3_slime)です。
STR環境のミッドレンジロイヤルのプレイングについて、わかっている範囲のことを書いていきます。
僕はもともとロイヤルはプレイングが難しそうで苦手意識があったのですが、ランクマッチで連勝できたので、最低限のプレイングはできているのかなと思いました。グラマスに到達するまでに触ったデッキの中でも、最も勝率が良かったのはミッドレンジロイヤルです。
ミッドレンジロイヤルの連勝構築例
ロイヤルの構築にはまだ選択肢が多いですが、概ね次のようなデッキでしょう。
STR環境からの新カードとして、リーシャと白刃の剣舞が加わっています。2コストの枠として、簒奪の従者ではなく、オースレスナイト、エルネスタ、キャノンスマッシャー、ホーリーナイトベアなどを採用する構築も多いです。2コス除去は剣舞が優勢で、追加で蛇剣やディオネを入れるタイプですかね。珍しいですが、3コスはワルツ、1コスにルシウスを入れる構築もあります。
僕はこの手のデッキで、ランクマッチ連勝とグランプリ優勝できています。
ローテ、ミッドレンジロイヤルで10連勝! デッキはウィンの三番弟子さんベースのものを使ってます。 pic.twitter.com/Kzg4E8jwi0
— OZ ✘ 木村すらいむ (@kimu3_slime_g) April 7, 2019
ローテ、ミッドレンジロイヤルで今度は11連勝! ロイヤル強すぎ。
— OZ ✘ 木村すらいむ (@kimu3_slime_g) April 8, 2019
デッキはSpiciesさんが少し前に配信で使ってたものをお借りしてます。ルシウス白黒がネクロに強い。 pic.twitter.com/CYfQqmXnoX
グランプリ(プリンセスカップ)Aグループ優勝した!
— OZ ✘ 木村すらいむ (@kimu3_slime_g) April 11, 2019
先行リオード剣舞えげつなさすぎ……。なぜか機械デッキが多かったので、従者とオクトリスも刺さった。 pic.twitter.com/ozrJaGXImv
ロイヤルの強み:エンハンスカードの多さによる安定性・柔軟性
さて構築を見てまずわかるロイヤルの強みが、エンハンスやアクセラレート、チョイスを活かした安定性と柔軟性です。
例えば2コストのカードは、見かけの13枚だけでなく、レイピアマスターとレイサムの6枚が加わります(計19枚)。4コストはレイピアマスターやキャノンスマッシャー、白黒(イメラorマグナス)が埋めます。8コストはレイサムだけでなく、ドラゴンナイツ、オクトリスが加わる。また、「プレイしたターンのPP+1以下の最大コストのカードをドローする」アイテールは、3に出せばリーシャ、4~6なら使徒、7以降ならレイサムと、出すターンによって好みのカードをサーチできます。
ここから導き出されるのは、プレイできずにパス(マナパス)することの少ない安定感と、相手の構築やプレイに応じてゲームプランを変えられる柔軟性です。
安定感と柔軟性は一見メリットですが、これこそがロイヤルのプレイングを難しくしているとも言えます。
エンハンスで何PPとしても使えるからこそ、何PPとして使うのが最善なのかわからない。アグロ気味にもコントロール気味にも動けるからこそ、どっちのゲームプランをどうやって取れば良いのかわからない。ロイヤルを避けていた初心者の頃感じていたのは、そんな悩みでした。
2種のゲームプランのチョイス
ロイヤルのゲームプランは、アグロプランとコントロールプランの2種です。実際にはこの2種を組み合わせて「ミッドレンジ」ロイヤルなのですが、まずは極端なケースを覚えておくと良いでしょう。
アグロプラン:リオードを軸に
アグロプランは、序盤からテンポよくカードを出し、リオードの潜伏、黒セリアやドラゴンナイツ(ランスロット)などの疾走で6-8Tにフィニッシュするプランです。
ドラゴンやウィッチ、(セレス中心の)ネクロや蝙蝠ヴァンプに対してこのプランを取ることが多いです。
このプランを取るにあたっては、2コストは従者よりもオースレスナイトの方が強くなります(従者はトレードにおいては強いが、クロック1点なのが弱点)。
重要だがプレイングが問われるのが、リオードの使い方です。このカード、最初は全く使いこなせませんでした……。
カードのテキストを読むと、2/1/3としてだけ使うのでは弱く、基本的には進化を使うカードです。最強の2/2/2の進化フォロワー・リリエルと同じく進化時1点を持ちながら、その1点をハンドにキープすることもでき、さらになぜか手札にアサシンを加えます。
リオードは2PPのカードですが、2Tに出すのは基本的にテンポロス。2Tには普通に2コス相当のカードを出しましょう。先行4T、後攻3Tに伏せておき、進化ターンに場から進化させるのが強力な使い方です。それができるようにボードを作ったり除去カードを抱えておくのがコツ。
潜伏から進化させて伏せれば、疾走3点+アサシンで伏せて3点で6点持っていきます。わかりやすい。エンハンス5の剣舞と合わせれば、ランダム5点除去+隠伏天誅1点をしつつボードに5/7が残ります。セレスでもヴェインでもヴィーラでも取れない! しかも残ったらアサシンで伏せて再び5点持っていき、ほぼ勝ちです。
リオードをより良く活用するには、すぐにアサシンを使わないこと、すぐに顔を出さないことです。
初心者にありがちなアサシンの使い方が、4PPでリオード顔出し+アサシンです。もちろん後攻のときに処理でリオードを使うときはありますが、盤面で戦っているときに3点のために潜伏するのはあまり強くありません。結局その3点をボードに当てなければならなくなるからです。であるなら、最初からリオードは伏せずに、アサシンを別のフォロワーに使うことで高いバリューを生み出せます。
リオード以外を伏せる強い使い方は、7PPのドラゴンナイツ・パーシヴァルにアサシン(通称パーアサ)、8PPでエンハオクトリスにアサシン(オクアサ)です。これが通れば、実質6点近い疾走になります。手札やボードと相談し、リオードを伏せるよりこっちの方が点数が出ると判断すれば選びましょう。やりにくいですがリーシャを伏せて、5点パンチやトワイライトソードを狙うこともあります。
アサシンを大事にするのと同様、隠伏天誅の1点もできるだけ残しましょう。何も理由がないのに顔面1点にしてしまうのは論外です。1点をキープして盤面体力1の除去に当てることが、結果として後に3点以上の打点を叩き出してくれたりします。
また、リオードをより強く使うために、リオードの顔を出す(潜伏を解除して攻撃する)のを遅らせることがあります。
例えば、リオードを進化させて5Tに顔を出せば、言ってしまえばただの3/5で、これは相手の進化フォロワーに取られてしまいます。一方、3/5を取られるのを嫌ってすぐにアサシンをすると、盤面干渉力が下がり、結果としてリオードが盤面に当たらざるを得なくなったりします。
これを防ぐためには、リオードを進化置きして伏せたままにして、余ったPPで除去やボード作りをすることが求められます。そしてドラゴンナイツ・ヴェイン、簒奪の使徒、リーシャなどが出せるターンで、一緒に3/5としてリオードが顔を出す。場には干渉せずいないものとしてリオードを進化させておいて、その後強いカードと一緒に出して二面除去を強制する。これが強い使い方です。
これが強いのは、ドロシーウィッチが強いのと同じ理屈。小出しにフォロワーを出せば、相手はターン毎に補充されるPPを使って除去できます。しかし、1ターンの間にいきなり複数の大型フォロワーが立てば、相手はそのどれかしか除去できません。
二面(以上)処理の状況で顔を出し、どちらか一方残った方で攻撃する、リオードが残ればアサシンで伏せられるし、残らなければ強い指揮官を伏せる。
リオードを伏せるにしても、進化ターンと顔を出して伏せるターンをずらす戦略が有効です。具体的には、後攻4T以降にリオード進化置き、6Tにリーシャ+アサシンでリーシャが突進して盤面処理しつつ、リオードを伏せられます。もちろん、リーシャ+兵士で上踏みできるならそれだけで盤面が強いので、リオードを3/5として伏せないで他の潜伏に当てることも全然あります。
ポイントは、アグロプランだからといって焦らないこと。実際はリオードを活かした潜伏・疾走プランです(潜伏特化のデッキが成立するくらいに強い)。リオードは予め出しておくことで3点疾走として使うわけですが、その3点は4-5Tにすぐ回収するとは限らない。顔を出すタイミングやアサシンの使い方を工夫することで、後のターンに3点どころか6点、それ以上持っていくこともできるのです。
コントロールプラン:レイサムを軸に
こちらは比較的わかりやすいでしょう、レイサムプランです。盤面を作ってる相手に対話をしながら、レイサムを着地させてそのパワーを押し付けつつ疾走打点で勝ちます。
主にロイヤルミラーなど盤面系の相手にこちらのプランを取ります。また、アグロプランを取ろうとしたが、押しきれないと感じたときにこちらに切り替えましょう。
まずはレイサムを着地させるまでに工夫が必要です。
ハンドにレイサムを残しておくか、あるいは7Tにアイテールを置いて回収します。もしアイテールを置くならば、それができるような事前のボード形成と3PP分の動きを5Tあたりから考えておく必要があります。いずれにせよ、中盤のボード制圧にあたっては簒奪の使徒が強いです。レイサムをすでに持っているなら6使徒7使徒、持っていないなら6使徒7アイテなどしつつ動きます。
また、進化権が切れているとレイサムを着地させるターンにもスキが生まれます。7Tに横並べをしておいたり、潜伏フォロワーを置いておけば、レイサムを置いたターンにレイサムの効果で相手の盤面を除去できます。
レイサムは8Tに出せれば良いのですが、実際にはそれが難しいことがあります。置くことによって大きな盤面不利を招くと、レイサムが起動したとしても取り返せません。そういうときは、オクトリス(+剣舞)やドラゴンナイツや使徒で、安全に着地できる盤面になるまで粘ります。盤面が五分以上になり、ハンドに黄金の靴があれば、9-10Tにレイサム+靴で安全着地させられるでしょう。
レイサム着地後は、「フォロワーの攻撃→ナイト1点を相手に当てる→フォロワーの攻撃…」の除去+攻撃の動きが基本です。ナイト(除去)が盤面のフォロワーの数分の点数が出ます。最終的に打点を出したいとしても最後のナイト1体だけをフォロワーに当てずフェイスに当てれば良いので、途中で出てくるナイトはフォロワーに当て得です。
疾走打点としては、レイピアマスターで6+1、エンハドラゴンナイツ(ヴェイン+ランスロット)で4+1出るのが基本。セリアがあれば、ナイト回収→セリア→ナイト出しで10点近く容易に出せます。このとき、「黒セリア攻撃でナイトを出す→手札からナイトを出す」の順番を間違えないようにしましょう。
また、10PP以降にリーシャを攻撃させれば、トワイライトソード(盤面と顔に5点)が手に入れられて最強です。クイックブレーダーを残しておけば、そのターン中にトワイライトソードできます。ここでリオードなど潜伏フォロワーを9Tに伏せて置ければ、10Tに「リーシャ出し→潜伏攻撃でナイト出る→リーシャ進化」ができますね。
リーシャ+白セリアでもリーシャ起動できますが、このときに場が埋まらないように先に白セリアの1コスを捨てておくことに注意しましょう。リーシャからナイトとナノが出るわけですが、ナノの場がなくなると溢れて損します。
また、進化していないリーシャを(靴などで)突進させてレイサムの効果で進化しても、ナノやトワイライトソードが手に入らないことに注意しましょう。これはまず進化前の能力(バニラ)で突進して攻撃処理が終わり、その後ナイトが出て進化するというフローだからと思われます。
すごい今さらだし先駆者いるだろうけど
— わきた/RoG (@aikata_) April 12, 2019
レイサムの効果発動後、リーシャが突進するとどうなるか改めて検証
結果としてリーシャの攻撃で出たナイトによってリーシャは進化
けどナノは出ないし10t以降でもトワイライトソードは手札に加わらない pic.twitter.com/tP8ybUUN07
アーカスネクロなどは、リーシャのあて先がなくなり活用が難しくなります。早めに消費してバリューに換えておくか、9Tにリーシャアサシンして10T顔出しといった工夫が必要です。
ミッドレンジロイヤルのマリガン
以上のことを踏まえると、次のようなマリガンになるでしょう。
先後共通:「レイピア、リオード以外の2コス」から1枚、アイテール、(2コス1枚とセットで)白黒、(アグロプランなら)リオード、(コントロールプランなら)使徒。
先行:(アグロプランなら)クイックブレーダー、(コントロールプランなら)ドラゴンナイツ。
後攻:2コス除去。
先後ともに2Tに2/2/2、3Tに3コス、4Tに4or2+2、5以降はリオード、ドラゴンナイツ・ヴェイン、使徒で戦っていきます。とにかく2に安定して動いてテンポを取るのが強みです。一方、2コスの枚数は19枚近いので、使徒など重めのカードを強気にキープしても、問題なく22から動ける確率が高いです。
アグロプランなら2コスを2枚しても良いですし、コントロールプランなら2コスは返してより強いリソースとなるカードを探しに行くことも。2コスがかぶったときに、純2コスとレイピアは残し、後でも使えるセリアレイサムを返すでしょう。もちろん、アグロプランなら2アクセラレートのレイサムは強いですしセリア疾走も残したいところですが。
アグロプランを選ぶかコントロールプランを選ぶかは、盤面を取り合わないなら前者、盤面を取り合うなら後者を選びます。白黒の開き方も、前者ならマグナス、後者ならイメラを取るのが基本になるでしょう。
(今期はコントロールの動きをするにしても基本マグナス開きで良いです。先1開き以外、イメラを使わない印象です。それも対面によってはすかされるし。突進ならリーシャがあるし、4の動きはリオードやレイピア、キャノンスマッシャーで埋めるほうが安定するし、3点除去なら2コススペルを使いたい。)
今回はここまで。
他にもカード1枚1枚の使い方や構築に採用するカードの枚数、対面リーダーごとの動きなど、他にも書くことは多いのですが、僕自身わかっていない部分が多いので後回し。
アグロとコントロールの2種のプランを組み合わせ、安定感を持ちながら相手に合わせたプランで勝ちましょう!
木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。
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ランクマッチを「作業」にしない。プレイング上達の思考法=法則化
どうも、木村(@kimu3_slime)です。
シャドウバースのランクマッチを作業にせず、プレイングを上達させるための方法について書いていきます。結論から言えば、プレイの法則化です。
グラマスには勝率6割なら500戦必要
STR(鋼鉄のリベリオン)環境に入り、早速グランドマスターになりました。
蝙蝠で8連勝しつつグラマスなった!
— OZ ✘ 木村すらいむ (@kimu3_slime_g) April 10, 2019
聖獅子、ミッドロイ、ミッドネク、蝙蝠などいろいろ使いつつ昇格。ロイと蝙蝠が安定感あってしかも強い。ネクロは強いけどブレが厳しくて難しい。 pic.twitter.com/8PXVNO5FkK
途中、ミッドレンジロイヤルで10連勝、11連勝、蝙蝠ヴァンプで8連勝などを達成しつつだったので、悪くないペースだったと思います。
最近のローテ環境のデッキには資産がかかります。そこで、グラマス到達は悪くない選択肢。到達で報酬10パック確定しておきつつ、累計BP報酬、ランキング報酬を得られます。
さてそんなグラマスには、10000MPがかかります。これが長い。勝ちで100MP、負けで-100MP、勝率6割と仮定すると、10戦で200MP増加です。このペースなら、グラマスには500戦が必要となります。1戦10分かかるとしたら、5000分=約80時間かかることになるでしょう(実際は、もう少し試合時間が短かったり、勝率良かったりするでしょうが)。ランキングトップ(覇者)を目指す人は日に5000MP以上を盛っていますが、それでも2日はかかるのです。
そうなると、ランクマッチはながら作業になりがちです。手なりでプレイして、そのうちMPが増えるのを待つ。実際、そういうプレイをしている自分に気づきました。しかしそもそも、作業ではカードゲームをプレイする楽しみがないし、プレイングが上達して勝率が上がることもない。BO3(RAGEやレート)を主眼にするならば、なおさらランクマッチを走る意味がない。実際、ランクマッチと競技プレイの矛盾を指摘するブログ記事もあるくらいです。
僕は競技プレイ(長期的な勝率の上昇)を指向していますが、それにあたりランクマッチは全くの無駄ではないと思っています。どうせ走るならば、ランクマッチの戦闘を作業にせず、そこから学んでいきたいものです。結果的に、勝率を上げることが最短のグラマスへの道になるわけですし。じゃあどうやって学ぶか。
勝つための思考法:メンタル面
まず精神面について。心がけが実際のプレイを作ります。
感覚でプレイしない
まず、感覚でのプレイをやめましょう。逆に言えば、理論や法則を作るつもりでプレイしていくことです。作業だと思って、自分のプレイをよくする積み上げをしなければ、いつまでもうまくなりません。
(もちろん、対面やボードの状況によって、感覚的な判断をせざるを得ないときもあります。感覚プレイでうまい人もいます。しかし、原則としては明らかに良いプレイを大部分で知っていて、そのうえで感覚を混ぜるわけです。感覚しかないのなら、ランクマッチはじゃんけんやサイコロ投げと変わりません。)
対面やボードを見ずに、自分のターンが来るたびにPP通りのカードを考えずに出すプレイを、「ソリティア」と僕は呼んでいます。機械的にプレイして気持ち良くなりたいなら、ソリティアをすればいいわけです。対人のカードゲームでは、そんなマシンのようなプレイでは上達しません。「ソリティア」と形容されるようなデッキだとしても、実際にはマリガン、リソースの切り方、環境のデッキなどによって、勝つためにはソリティアでないプレイが求められます。
実際には、ランクマッチのどの試合でも、毎ターン毎に細かい選択肢が生まれていて、その選択肢の取り方によって勝率が変わるわけです。レートほど対戦相手のレベルは高くないかもしれませんが、それでも常に選択肢を良く選び続ける問題を与え続けられているわけですから、それを活用しましょう。
プレイを法則化する
ランクマッチという「問題」から、何を学べば良いか。それはプレイングの「法則」です。
受験勉強の攻略と同じです。問題を解いて答えを見る、その繰り返しだけでは正解率は上がりません。問題の解き方のパターン、規則を考えながら解くことで、将来出会う問題の正答率を高めることができます。
マスターランクの方なら誰でも知っているでしょうが、例えば「先ドロー」という法則があります。ドローできるカードとそうでないカードの両方をプレイするときに、先にドローしてから残りのカードをプレイすること。先ドローすれば選択肢が多い中でプレイできますが、後ドローすると後から引いてきたカードの方が良かった(つまり最善の選択肢を取れたのに取れなかった)、ということになります。しかし0コストの運命の導きがターン終わりにあるときは、次のターンまでキープしておく、という規則もありますよね。これは次のターンの1ドローしたカードにスペルブーストを載せられるメリットがあるわけです。
このような法則化がベターなプレイを生み出すのは明らかです。しかし法則化のメリットは、良い選択肢をもたらすことだけでなく、プレイングを速くできることです。「この状況は先ドローだ」と知っていれば取るべきプレイは明快で、それを知らない人に比べプレイが速くなります。
逆に言えば、選択肢に迷ってプレイが遅い部分は、まだ法則化が足りていないと言えます。ランクマッチのそのような場面こそ、時間をかけて考えるべき場面です。頭の中でシミュレーションを行い、どちらの選択肢が良いのか検討して実行し、結果を見て仮説の良し悪しを判断する。明らかに良い選択肢を見つける法則ができあがるまで、考え抜きましょう。それが結果として長期的な勝ち、スムーズなランクマッチにつながります。
法則化のメリットは、良い選択肢を選び、プレイ速度を速めるだけにとどまりません。
もしプレイの法則を列挙しつくせたとしたら、大半の局面でその法則にのっとるだけで良い手が選べるので、プレイが速く、かつ良い結果をもたらす選択肢が取れます。手なりでプレイすることとは違い、予め良いと判断できた選択肢を自動的に取ること。 カードゲームは作業ゲーではなく、法則発見ゲーなのです(持論)。
カードゲームは、(短期的な)思考速度のゲームですらないと思います。将棋でも、大局観や形勢判断の本が多く書かれているように。多くの試合から予め学び考えておくことで、重要なシーンで落ち着いてより良い選択肢を検討するための時間リソースが与えられます。経験から学んだ量が少なければ毎試合で場当たりの判断が求められますが、蓄積があれば重要な分岐にのみ時間をかけることができるわけです。
試合の結果はプレイする前の練習に大きく左右されるのは、スポーツにおいては当たり前でしょう。運の要素があるカードゲームにおいても(むしろだからこそ)、試合を始める前のゲームの理解が大事です。
つまり法則化とは、事前思考です(一般に知識と呼ばれるもの)。事前思考が足りなければ、問題(=試合でのプレイング)は複雑化し、めんどくささやパニックを招き、失敗率を上げます。法則化は事前思考によって、各盤面での本質的な問題の明確化をして、思考のリソース・アドバンテージを与えてくれます。
カードゲームには、テンポ、ハンド、ライフ、構築、情報など様々なアドバンテージがありますが、「良い選択肢をすぐさまに見つけられる」というメタ・アドバンテージを得ておきたいものですね。
どうやって法則を見つけ、積み重ねるか
選択肢を検討=シミュレーションする
プレイを法則化するには、各試合で生じた選択肢を検討し、理由をつけて選択していくことです。その理由の積み重ねが法則となります。
シャドバのレート上位者やプロ選手のプレイを配信で見ていると、必ず選択肢の検討に時間をかけています。前のターンにプレイがほぼ確定していたとしても、トップの1枚を見て一応必ず検討します。
上位プレイヤーのみに広く見られる検討のひとつは、「進化置き」です。一般のプレイヤーは進化をトレードや進化時効果のためのみに使うわけですが、進化置きは相手の有利な動きを取らせないために先んじて行われます。相手の次のターンの予測、通ったときと通らなかったときのリスク計算が求められます。難しいですが選択肢ではあり、例えばこうした選択がうまくできるかどうかによって勝率が変わるわけです。
検討するとは、具体的にはシミュレーションを行うことです。「選択肢Aを取ると、おそらく相手は~してきて、次のターン自分は…」という未来予測をそれぞれの選択肢に対して行います。配信であればこうした検討のレベルから、そのプレイヤーの強さの理由が感じ取れるわけです。
検討の結果を言語化する
検討して見つかった結果を法則として残すためには、言語化が必要です。言葉にすることで頭に定着し、後からスムーズに適応できるようになります。
検討を口に出しながら配信するのも良いでしょう(配信者は自然にこれをやっている)。僕は文章にして言語化しています。
どのように法則を言語化するかは、人それぞれ自由だと思います。僕がグラマスまでのランクマッチを通して書いていたものの一部を以下に載せてみるので、参考になれば。(自分用メモに近いので読みにくいかも)
聖獅子
- マリガン
- 先後共通:結晶、神殿、紡ぎ手、救済、スイング(先行の優先度低い)
- 先行:神殿セットで2コス。(礼賛?)
- 後攻:聖獣、対面によって法典、レインディア(?)
- 結晶の総数によってゲームが決まるので、強気に探す。ただし序盤から盤面を取らなければ早めのデッキに押される。
- ゲームメイク
- 1-4T
- 2法典するか否か:アグロorそれ以外?
- 5-7T
- プランが分岐する。
- 神殿があり、聖獅子が4以上出せてカウントを増やせるパターン。
- 非聖獅子、テンポを維持するための動きで聖獅子は3以下、ヘクターで余裕を取り戻してからカウント稼ぎ。
- 7-10T
- 相手のパワーターンを警戒しつつ、盤面orカウント稼ぎへ。ここからは聖獅子の枚数のゲーム。
- プレイングチップ
- 神殿2枚置きは終盤まではしない。
- 終盤、ハンドが多く盤面の除去力を上げるためにだけ使う。神殿のバリューはPP回復をしてテンポを上げることであり、それによってカウントが特別進むわけではない(他の結晶カードか、エンハが必要)。2枚置くと、アミュレットとヘクターも4ぬ。つまり、アミュもヘクターも頼らずにフィニッシュできるなら2枚置きすればいい。
- テンポと獅子カード(特に神殿)のプレイタイミング
- 非獅子(礼賛ヘクターなど)はコストのごまかしができないので、どうせ使うなら早期に吐きたい。一方で、ハンドの結晶を適度にカウントに変えなければ、終盤バリューを巻き返せない。特に、5PP以降はエンハの都合上カウントを稼ぎにくくなる。
- テンポ通りに動くと、ヘクター頂点のミッドレンジデッキになるが、その動きは特別弱いわけではない(だ無理にドローや神殿して弱くなる可能性はある。素結晶は打ち得だが。)。その間に、聖獅子というテンポかつフィニッシャーを入れていき、後半のパワーを上げている。
- つまり、聖獅子カードは、テンポになるタイミングで吐いていくべきであり、そうでないタイミングには無理しない。ヘクターはパワーなので6に横並べを作っておくとか。テンポを失わないときに神殿を置ければ、ミッドレンジの動きをしつつずるできる。
- レジェファイの使い方
- テンポ:3T以降、アミュと合わせて22突進として使う。
- 進化除去の強要(実質守護):4T以降、スペルをあわせて必殺として置く。
- 大型の処理(破壊スペル):5T以降、アミュスペルと合わせて。
- 打点:テンポとして出して残ったときに、進化2回攻撃させる。ヘクターや守護裏と合わせると強い。
- カウント不足で負けないために
- 無理にハンドを吐いて圧をかけていくと、6Tあたりから息切れしていく。ハンドの様子を見つつ、エンハ結晶のタイミングを伺って稼いでいくべき。
- 結晶の切り方が大事。ハンドから結晶をすべて失うとどうやってもカウントが進まないし、リソース回復もできない。
- 礼賛やコレットはマリガンキープすべきなのか?
- 2Tの222、3-4Tの礼賛はテンポムーブになる。
- 神殿とはセットキープして良い。2神殿から3T22の動きが確定するため(神殿のロスは確定で取り返すべき)。
- 神殿が見えていないときは、基本返す。礼賛は先行のみリソースかつテンポ札なのでキープしてよい?→ダメ。4のカードであり、2として出すのはテンポロス。探すべきはテンポかつ結晶カードである結晶や紡ぎ手であり、返したときに2としても使えるポジで良い。
- 救済の聖獅子の0コスの使い方
- ハンドや場に神殿がないときは即打ちで良い。なぜなら、それがテンポを取れるから。
- 6T以降、レジェファイとくっつけられる場面では出す順番に気をつける。
- 神殿があるときは、0で抱えることもある。しかしそれは弱いため、進化ターンをずらして、例えば5Tに402と動けば強い。
- 先に打つのは、ヘクターか結晶か?
- サタン(強いシステムフォロワー)にどうやって勝つか?
- まず早期にデッキタイプを見抜こうとする姿勢が必要
- 9PPのターンには起動し、起動されたら基本的に負けであるという認識をしておく(無理にでも勝つ状況にしておかなければならない)。
- 起動しても勝てるのは、金獅子完成で、相手のHPが12以下のとき(つまり逆リーサルをかけてるとき)。
- 後攻でランプサタンされると、押し切りが足りずきつすぎるんだが?
- 先行は勝ちプランが明確。フォロワーをテンポよく出していき、相手のテンポロスを回収させなければ良い。10以下まで削れていればどうにかなる。サタンの返しのターンは1ドローのみだからトップが弱ければ押し付けられる。
- ロイヤルなどアグロプランにどうやって勝つか?
- アグロプラン側は、リソースが切れやすい。早期から無視できないボードを作られ、ボードにつきあわされるのが一番つらい(ロイだとプラン変更できるが)。→カウント稼げず4にました
- できればランプさせない。つまり、進化ターンを通じて処理を強要させつづける。もしかしたらランプ札がはけずに?←いや持ってたらいけるやろ
- リーシェナメイシアにどうやって勝つか?
聖獅子なので、神殿の置き方や結晶カウントの稼ぎ方に関するものが多いです。これらは頻繁に検討し、かつフィニッシュ手段(勝ちの確定)に関わる重要な選択肢ですね。よく出会い、簡単に理由付けできる状況から法則化していくのが良いでしょう。聖獅子については書いていませんが、構築・カード評価も言語化していくとベターです。
上の言語化には、まだ未完成の部分があります。マリガンも「?」がついているように、プレイしながら書き換えていく途中です。とりあえず書いて見たものの、自信のない記述もあります。「学問に王道なし」というように、100%のプレイに向かうには紆余曲折が当然必要で、最初から答えにたどり着いていると思わず都度改めていくことが求められます。
一方で、 例えば「神殿2枚置きはほぼあり得ない」など、自信を持って言える簡単な法則も見つかっています。ネクロであれば、アーカス後のPP毎の打点・リーサルプランを書き出しておくのも良いでしょう。こういうものをランクマッチの中から見つけていくのが大事です。
「そんなことも?」という当たり前のレベルだとしても、少しでも迷いがあるなら理由付けして法則化しておくことに価値があると思います。具体的で小さな検討の積み重ねが、昨日の自分よりも着実に高い場所に導いてくれるでしょう。
木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。
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今日から始める!アーティファクトネメシスの立ち回り徹底解説【ALT環境】
どうも、木村(@kimu3_slime)です。
アーティファクトネメシス(以下、AFネメシス)の立ち回りを初心者向けに解説していきます。
ALT(次元歪曲)環境では安くて安定した強いデッキと言えますが、AFネメシス経験が全くないと「マキナが引けなくて扱えない運ゲー」という印象を抱いてしまうのではないのではないでしょうか。この記事では、「回すのが楽しい!」と思えるに至るまでの、プレイング・回し方を言語化していきます。
アーティファクトネメシスの魅力
アーティファクトネメシスの魅力は、デウスエクスマキナと加速装置を組み合わせた盤面の展開・制圧能力です。
デトネーションゲーミング所属のミルさんの29点盤面全処理は、ある種の伝説として語り継がれています。こういうことができるポテンシャルを持ったデッキなんですね。
ミル選手の29点盤面全処理みんなにも見てほしい#rage#Shadowverse #シャドバプロリーグ pic.twitter.com/hxDKweA7yH
— ふじい*11/18E.G.11 (@nonnon_eg) May 5, 2018
ALT環境では、例えば伊達ポセイドン(合計15点)やマナリアウィッチなどの大量展開を全除去できたときは、気持ちいいことこの上ないです。最近遭遇したのは、ミッドレンジビショップによるこんな盤面。
相手のフォロワーを2体まで減らし盤面を作りつつ、マキナの共鳴効果によって6枚ドローしています(このあと勝ちました)。6ターン目にこんな動きができるデッキ、他にありません!
AFネメシスは「デッキを作る」デッキ
ALT環境における、AFネメシスの一般的な構築を紹介します。この画像をもとに解説していきます。
さきほど紹介したように、6-7ターン目にデウスエクスマキナを起動させ、その後加速装置とアーティファクトカードを使って盤面を制圧していくのがこのデッキの目標です。
このデッキが、他のリーダーと異なり、それゆえにプレイングが身につけづらいのは、「デッキを作る」デッキだからです。逆に、その性質さえ理解してしまえば、ある程度は思った通りにデッキを回転させることができます。
以降の記述は、AFネメシスを持ち込んでRAGE Shadowverse 十禍絶傑で王者となったへるんさんのブログ記事「ネメシス立ち回りとかの話」を参考にしています。へるんさんはAFの神です、まずはこれを読んで!!!
キーワードは「膨張」と「圧縮」
デッキ作りを制御するためのキーワードは、膨張と圧縮です。
AFネメシスとは言いますが、最初からAFカードそのものがデッキに入っているわけではありません。試合中にAFカードをデッキに埋めなければ、マキナ後に強力な展開をすることはできません。デッキの枚数を増やすことを膨張と呼びます。
AFネメシスのデッキには、デッキから「AFカードを引く」カードが存在しています。これによってデッキの枚数を減らすことを、圧縮と呼びます。
おおざっぱに言えば、マキナを引く前は圧縮、マキナを引いた後は膨張を心がけてプレイすれば良いでしょう。
カードの具体例を挙げつつ、膨張と圧縮について考えます。
デッキは勝手に「膨張」する
まずは膨張から。
以下の6種のカードが膨張をもたらします。基本的なカードは、2/2/2でAFカードを2枚埋める魔鉄の獅子、機構翼の剣士、イカロスです。
単純に考えれば、2/2/2をプレイするたび、デッキは2枚増えていく。デッキの枚数が増えれば増えるほど、AFカードを引ける確率は上がりますが、マキナに到達できる確率は下がっていってしまいます。つまり、何も考えずにプレイしていると一生マキナが来ずにゲームが終わる。
埋まる主要なAFカード4種は、次の通り。
- アナライズアーティファクト 1/2/1 ラストワード カードを1枚引く
- エンシェントアーティファクト 1/3/1 突進
- ミスティックアーティファクト 3/2/3 守護 ファンファーレ カードを1枚引く
- レディアントアーティファクト 5/4/3 疾走 ラストワード 次のいずれか。(自分のターンなら)AFカードをランダムに1枚引く。(相手のターンなら)カードを1枚引く。
初心者がまず覚えておきたいのは、序盤は「魔鉄の獅子をプレイしよう。イカロスはできるだけプレイしないようにしよう」ということ。
序盤のデッキ作りにおいて最も価値を持っているのは、コストが軽く1ドローを持っているアナライズAFです。
アナライズAFは、デッキに2枚埋めたところで、(プレイしてラストワードを発動させれば)2ドローをもたらします。つまり、実質的な膨張にはなっていないのです。そして、このデッキにはAFカードをサーチできるドローカードがあるので、アナライズAFを適度に埋めることはデッキ回転を速め、マキナ到達の確率を上げます。だから魔鉄は優先してプレイする。魔鉄はネメシスの託宣です。
一方で、マキナが引けていないときにイカロスはできる限りプレイしたくないカードです。本当に初心者の頃は、2-3ターン目にPPが余ってプレイできるカードがイカロスしかないからとイカロスをプレイしていました。AFネメシスはテンポよくプレイすればそれで良いデッキではありません。2枚エンシェントAFを埋めれば、2枚マキナへの到達が遅れます。イカロスは、AFカードを引っこ抜くカードが見えているときか、進化権を使える(AF1ドローできる)ときだけプレイしたいものです。
カードの膨張能力を数値化してみましょう。デッキ枚数の観点から、アナライズ・ミスティックを0(1枚埋めて1枚引けるので)、エンシェント・レディアントを+1としてカウントします(レディアントは序盤に引いてもドローにならないので+1とした)。すると、
- 魔鉄の獅子 0
- イカロス +2 (進化セットの場合は+1になる)
- 機構翼の剣士 +1(4種ランダムなので平均)
- 製造術 -1 (アナライズで0、これと1ドロー)
となります。マキナに到達するという観点ならば、製造>魔鉄>機構翼≧イカロスと言えます。ただし序盤では、イカロスのエンシェントは除去に使えて、機構翼ランダムのレディアントはゴミになってしまうという違いがあります。
また、いくらアナライズの評価点が高いからといって、生命の量産を連打してアナライズを増やして、「10枚埋めたから強い!」とはなりません。場に出してドローに変えるには、タイムラグがあります。2-4枚の意図したAFカードをデッキに埋め、AFサーチカードで引っこ抜いて圧縮をかけていくのが理想的です。
デッキを「圧縮」してマキナを探せ
デッキを圧縮するためのAFサーチカードは、以下の5種類です。
基本的カードは、1枚サーチの造られし命・ミリアム(共鳴時チョイス)、熱狂の機兵士。非共鳴時1枚サーチかつ共鳴時2枚サーチの異次元からの侵略、ハクラビ。
AFネメシスの序盤の理想ムーブが、2T魔鉄3T熱狂4Tハーメルンアナライズアナライズ、通称魔鉄熱狂ハメアナアナです。
アナライズを埋めて熱狂を使えば(=アナライズをドローに変換すれば)、デッキは1枚圧縮されます。つまり、デッキがアナライズ限定のときのAFサーチは、実質1ドローカードです。3/2/3で1ドローって破格の性能ですよね。
異次元は4コス4点消滅で2ドロー、ハクラビは5/4/4で2ドローと考えれば、いかにAFネメシスのドローカードが強力かがわかるのではないでしょうか。逆にアナライズ以外のAFがデッキに多いと、AFサーチの価値が落ちることになります(それでもAFカードはパワーですが、マキナを探すのがまずは優先です)。
ハーメルンは、AFサーチカードではありませんが、引いてきたアナライズに使えば実質1ドローになります。積極的にアナライズに使いたいものです。例えば、後攻2Tで魔鉄プレイ、4Tでイカロス進化したとき、1/2の確率でアナライズを引けるので、それに打つなど。もちろん、魔鉄そのものをハーメルンで増やすなど、効率の良い膨張に使うこともありますが。
ミリアムは必ず共鳴で使いましょう。ハクラビ異次元は1ドローであっても価値はあるのですが、ミリアムは絶対共鳴。途中でドローが挟まらなければ、先行は奇数ターン(3,5T)に共鳴、後攻は偶数ターン(2,4T)に共鳴になります。つまり、先行2魔鉄3ミリアム、後攻1製造2ミリアムは基本ムーブです。
基本的なゲームプラン
圧縮と膨張のキーワードを踏まえて、基本的なゲームプランをおさらいしてみましょう。
- 序盤(マキナが手札にないとき):圧縮によってマキナを探す。魔鉄によってアナライズを埋め、AFサーチカードで引っこ抜こう。
- 序盤(マキナを引いたら):手当たり次第AFを埋め(膨張)、マキナを共鳴置きできるよう調整する。ある程度AFが埋まっていないと、マキナ発動後にトロい展開になる。
- 6-7T:(必要なら進化権を使い)マキナを起動させる。手札に加速装置があるときは、5-7Tに加速設置しつつマキナが置けると良い。
- マキナ発動以降:スーパーAFタイム。そのパワー強化のため、加速装置を起動させ続ける。なければ共鳴にして手札交換をしていく。そしてオートメーション、ミリアム、生命の量産によってレディアントAFを埋めつつ、その純度を高める。8-10Tでのフィニッシュを目指す。
ポイントは、序盤に目先の盤面を取るのに惑わされないこと。テンポデッキではなくデッキを作るデッキなので、序盤にダメージを受けて良いのです。そんなことよりマキナを探す! マキナパワーで因果を逆転させましょう。
マキナが引けていないときのプレイングに、AFネメシスの練度があらわれます。5-6Tあたりでマキナが引けていなかったとしても、余計な種類のAFをできるだけ埋めずに、共鳴を意識しながら効率的にAFを引っこ抜きましょう。対面によっては8-9Tのマキナ到達でも勝てます。
加速装置の使い方が肝です。手札に加速装置が見えているときは、すぐにAFを使わずに溜めておいて、5-7Tあたりに加速置きから一気に使えば、進化権を節約しつつデッキを掘ることができます。バリューを高めるために、共鳴状態の異次元とハクラビで2ドローしましょう。一説には、4T、6T、8Tに加速装置が置ければ、マキナがなくてもAFネメシスは十分戦えると言われています。実際そういうふうに綺麗にドローはできないので、マキナを探して引き次第マキナプランに切り替えられるようにするわけですが。
(マキナがキーカードとして目立ちがちですが、加速装置はAFネメシスの心臓となるバグカードです。マキナ込みでAF1枚につき2コスト踏み倒し、さらに1コス相当の突進まで付与するので。マキナ+加速装置はサタンデッキのようなもので、全対面を破壊します。)
デッキ相性
リーダーごとの相性は、カードプールと環境によって変化してきます。また、個人的な偏りがあるかもしれないので参考程度に。
簡単に言えば、次のようになると思います。
- 有利対面:ミッドレンジ、(疾走やバーンではない)コントロール。
- 不利対面:アグロ、疾走デッキ
- 五分対面(速度次第):バーンデッキ
AFネメシスの強みは、マキナ発動後のAFラッシュでした。レディアントで疾走させるだけでなく、アナライズやエンシェントで盤面も片付けられるのが強みです。つまり、盤面を作りながら戦っていくミッドレンジデッキには有利です。
代わりに、コンボ前提でテンポムーブが少し遅くなるデッキ構成になっていること、アナライズエンシェントAFが体力1で1/1に取られることから、横展開してくるアグロデッキには不利です。まともな回復カードもありません。対アグロは、テンポムーブを心がけつつ、AFカードのアドバンテージを活かし、コンシードしてしまうと勝てます。相手が息切れしてきてからマキナで良いのです。
また、疾走デッキ、バーンデッキに不利です。不利というか、盤面で戦ってこない相手には、盤面が取りやすいデッキという強みが生きません。
疾走デッキに対しては、マキナ後にオートメーションからミスティックAFを入れて守護を立てることで対策しましょう。アーカスネクロのような盤面を使わない相手には、加速装置が邪魔になることすらあるので、置くのは慎重に。また、盤面ロックで相手にギルネリーゼを置かれて負け確定したりするので、ボードのクロックを考え、2コスは出しきらず1面空けてレディアントの余地を残すといった工夫が求められます。
対バーンデッキは、速度勝負です。多少加速装置を流してでも、とにかく早期のデッキ圧縮をかけ、横並べとレディアントの圧を7-8Tからかけ続けます。
ALT環境で言えば、だいたい次のようになるでしょうか。
- 有利対面:マナリアウィッチ、サタンドラゴン、ミッドレンジネクロ、聖獅子ビショップ、ミッドレンジビショップ、ミッドレンジエルフ、蝙蝠ヴァンプ
- 不利対面:ミッドレンジロイヤル、アーカスネクロ、疾走ランプドラゴン、アグロエルフ
先行後攻の有利、ミラーマッチについても触れておきましょう。
AFネメシスは、基本的に先行が強いデッキと言えます(ALT環境はだいたいそうとか言わない)。先にマキナを置いて先にレディアント疾走できるのは先行だからです。先行のデメリットは進化権とハンドが少ないことですが、進化権は加速装置+AF、ハンドは豊富なドローカードでカバーできます。特にALT環境に入って、異次元が先行4Tの強い動きとなったことは先行強化を後押ししています。
後攻は、イカロスしか進化時効果フォロワーがいないことが問題点です。リーシェナ、もしくは機動外装を採用する選択肢はあります。ミラーマッチの場合、7-9Tにレディアントに進化を切り、先に攻撃をしかけていく(いわゆるクロックを逆転させる)のが勝ちパターンです。
マリガン
基本的なマリガンを紹介します。
- 先後共通:製造術、魔鉄、機構翼は合計2枚まで。マキナは単キープ。2コスとセットで熱狂orミリアム。2コスとサーチカードセットでハーメルン。
- 先行:熱狂。(対面によっては侵略、ハクラビ)
- 後攻:イカロス、すり替わり、加速装置。
- 返す:生命の量産、オートメーション。
ずれがなければ、先行は奇数ターンで共鳴、後攻は偶数ターンで共鳴になることに注意しましょう。
このデッキの序盤の目標は、マキナを探すために圧縮をかけつつ、フォロワーを展開し盤面を維持すること。序盤の理想ムーブは、先行は魔鉄熱狂ハメアナアナ、後攻は製造ミリアムハメアナです。これに類似した動きをマリガンでは狙います。最初から手元にマキナがなくても、アナライズ絡みでアドバンテージを取れば、自然とマキナを引く余裕が生まれるでしょう。
詳しく紹介しませんが、より良くマリガンするため、対面によってマリガンを調整する部分はあります。特に、すり替わり、異次元、ハクラビ、加速装置の部分ですね。
例えば序盤に展開してこない相手なら後攻であってもすり替わりは返してしまった方が良いです。逆に展開してくる相手や、消滅のアドが大きいネクロ対面なら、先行であってもすり替わりをキープすることもあるでしょう。盤面を優先しない相手なら、マキナへの到達を加速させる異次元やハクラビのキープ価値が上がります。
加速装置をマリガンでキープするかどうかは、僕も自信がなく本当に諸説です。先行はハンド不足を招くので返した方が良いです。後攻でも返す人はいるでしょう。展開してくる相手でなければ返しますが、展開してくるなら後手まくりのために必要なカードだと思います。後攻は先行に比べて基本的にテンポを失うわけですが、例えばイカロス進化でアナライズを引いてきてもボードの干渉につながりません。アナライズサーチ自体は強いのですが、先行のテンポに押し切られてしまうのです。後攻のアドバンテージは進化権とハンド枚数ですが、より具体的にAFネメシスの場合は1コストAFを活かすことがアドバンテージの回収になります。そのために加速装置は必要というわけです。でも加速2枚引いたら……というリスクはあるので、イカロスやAFサーチカードとセットでキープとか、柔軟な対応が求められます。むずい!
プレイング
時間切れを防ぐために
これでゲームプランの話は伝わったでしょうか。ここからはプレイングの話。
AFネメシスでありがちなのが、時間切れです。シャドウバースでは、1Tに90秒(1分半)の思考時間が用意されています。
AFネメシスに限らず、時間切れにならないために覚えておくべきことは、赤い輪は75秒(残り15秒)の時点で出始めること。シンプルにプレイできる選択肢を最初に考え、理想的なプレイが見えなかったとしても赤い輪が出たら入力を始めるようにしましょう。赤い輪が出たら迷うのは禁止、そのために1通りは最低限のプレイを頭に用意しておくことが必要です。
まず心がけるべきは、100点を取ろうとしないことです。時間切れをして30点のプレイングをするリスクを冒さずに、時間通りに60点のプレイングをできるようになることが最初の到達点だと思います。まずは時間通りにプレイできるようになってから、点数は上げていけば良いのです。
特にAFネメシスは共鳴/非共鳴の調整が結果に大きく影響を与え、1ミスが大きなディスアドバンテージにつながります。PP最大値通りに1枚プレイすればそこそこ強いグッドスタッフデッキがプレイミスしにくいのはもちろんですが、PP最大値通りに複数枚プレイするテンポデッキより難しい(慣れが必要)と考えた方が良いです。なぜなら、共鳴調整の関係でプレイの順序が存在すること(展開→バフのようにシンプルでない)、マキナと加速装置の関係でPP回復が存在するからです。
逆に言えば、まず考えるべきは「このターンは共鳴で終えるか?非共鳴で終えるか?」です。手札で共鳴調整できるカードだけに注目し、まずこれを決めてしまいましょう。マキナを置いたターンに共鳴発動できなかった、マキナ効果で手札交換したかったのにできなかった(逆にしてしまった)などが一番悲惨です。1枚ドローカードは共鳴をずらし、2枚ドローカードは共鳴をずらしません。製造術はそのターン中のみ共鳴をずらしますが、共鳴の偶数奇数ターンの入れ替えにはならないので注意しましょう。一番ありがちなミスが製造術によるものかと思います。
次に意識すべきは、選択肢が多いがよく遭遇する、マキナ発動かつ加速装置が場にあるときです。このとき、アナライズとエンシェントはPP-1、レディアントはPP3を消費する計算になります。つまり、アナライズとエンシェントはPP回復カードです。レディアントやその他カードを先にプレイし、アナライズエンシェントで回復、さらに他カードをプレイ……といった順番を覚えておくと良いでしょう。9Tあたりに、レディアントレディアントと出して、アナライズエンシェント回復、さらにレディアントで12点疾走とプレイするという動きは基本ムーブです。あるいは、先AFサーチ、PP回復、さらにAF埋めまたはレディアントも基本。
これだけ覚えておけば、時間切れせずにスムーズにAFネメシスのデッキをプレイしていくことができると思います。
デッキ内のAFカードの枚数を覚える?
AFサーチカードを使ったときに引いてくるAFカードを予測するために、デッキに埋められたAFカードの枚数を覚えるに越したことはありません。2/2/2は2枚、量産は3枚、オートメーションは4枚増やします。特に、IKEさんによる記憶術は使いやすいです。
参考:【シャドウバース】 理を超える アーティファクト記憶術 - IKEのカードゲーム雑記
ただし、人間の思考リソースは有限です。僕はすべてのAFカードの枚数を覚えていなくても、十分にAFネメシスは使いこなせると思っています。
まず、画面左のボタンからプレイしたカードが表示できる機能が実装されたことが大きいです(昔はなかった)。使ったAF埋めカードの枚数、抜いたAFカードの枚数を把握すれば、マキナ前のAFカードを認識するのは難しくありません。相手のターン中、次のターンAFサーチをかけようと思っているときは、プレイしたカードをチェックしましょう。
序盤はアナライズとエンシェント、その他の枚数だけ覚えれば良いです。0なのか、1-4なのか、それ以上なのか。0枚でAFサーチかけるのは、ありがちなミスですが、共鳴調整も意図しない形になるので破産につながります。4枚程度なら把握できるでしょう。5枚以上覚えるのは難しいですが、そもそもマキナを引く前に5枚以上のAFカードを埋めないようにプレイしたいものです。
また、マキナが引けたあとは、カードの枚数は覚えきれません。むしろ、デッキのAFカードの割合を意識しておくことが大事だと思います。アナライズだけ大量なのか、種類がバラけているのか、レディアントは0なのか複数あるのか。どのAFカードがめっちゃあって、どれが0なのか。必要な情報は、AFサーチで意図したAFを引けるかどうか、マキナで手札交換したときにAFのパワーを活かせるかどうかでしょう。その判断に細かいAFの枚数は必要なく、むしろ確率的な情報が必要だと思います。十分に圧縮をかけたあとにAFサーチからレディアントフィニッシュするのは、運ゲーでは全くありません。
諸説あるカードの評価、採用/非採用の意図
プレイングや採用枚数について、諸説あるカードについて検討していきます。
本当に初心者の方は、ここから先は読み飛ばして大丈夫です。習うより慣れろ。まずは実践してみましょう。
そのうえで、プレイングや構築を煮詰めていくためにカード評価は必要でしょう。(諸説なので、鵜呑みにせずに各自で考えてみてください。評価は僕も自信ないです…笑)
生命の量産
2枚構築を試したこともありましたが、3枚に戻りました。AFカードを埋めてさらにそれを引っこ抜いてきてから使うカードなので、いわゆる事故要因ではありますが、それを上回る採用価値があると思います。
- 圧縮:アナライズに打つことでデッキ圧縮につながります。ハーメルンと似た効果。
- 共鳴調整:特にマキナの着地に便利。4-5TでハンドにAFを抱えておき、加速を置きながら共鳴調整してマキナ着地できる。
- テンポ:ミリアムや熱狂からすぐにアナライズを出せる。盤面が強くなるだけでなくデッキ回転につながっている。
- AFパワー:レディアントが量産できて、4,5,6枚目のオートメーションの役割を果たす。かつ3枚埋めなので相当効率が良い。
一見事故要因に見えて、序盤から終盤まできちんと役割があるのがポイントです。ハーメルンと非常によく似ています。
オートメーション
OOT環境から追加された、一見地味だが最強のAF埋めカード。
このカードが登場する前のAFネメシスは、フィニッシャーとして造られし獣人・サフィラや鉄鋼の拳闘士を採用していました。その頃はリーサルに9-10Tかかるのが当たり前だったが、オートメーションのおかげで7Tからレディアントがスムーズに走れるようになり、リーサルターンが早まったのです。鉄鋼の拳闘士が4/3/4の実質バニラでレディアント2枚埋めていたことを考えれば、0コスで2枚レディアントがいかにずるいかはわかるのではないでしょうか。
ただし、4枚から2枚をチョイスするという、極めてプレイングが問われるカード。AFのプレイングがうまい人も、気分で埋めている、つまり定式化できずに状況次第でチョイスの仕方が変わる難しいカードです。
初心者的には、マキナの共鳴によって手札を流す直前に、エンシェントとレディアントを埋めるのが基本型です。それまではハンドにキープしておきます。エンシェントは加速装置が引けないときの除去として強力で、またレディアントはいわずもがなフィニッシュ手段です。
この変則型として、加速装置が十分に場に残るときは、アナライズとレディアント。疾走対面でどうしても守護が必要なときはミスティックとレディアント、といったチョイスができます。
フィニッシュとは別方向の使い方が、アナライズとミスティックをチョイスする圧縮プランです。例えば後攻2T、オトメあるが2/2/2なしミリアムありのときに、このチョイスは働きます。ミリアムの共鳴効果でAFを引き、次は3Tなのでアナライズでもミスティックでも動けるからです。このように、テンポ的にAFサーチが強力だがデッキにAFカードがないときに、このパターンを検討することがあります。
これに近いのが、アナライズとエンシェントをチョイスするテンポプランです。例えば、異次元やハクラビが共鳴で打てるターンだがデッキにAFにないとき、これなら盤面を取り返せます。
しかし、基本は何か+レディアント、フィニッシャー準備として使うことです。圧縮のために4枚もAFを埋めてしまうのは明らかにノイズなので、どうしてもという場合以外は避けたいもの。
機構翼の剣士
上で紹介した構築では2枚になっています。0-3枚で人によってわかれるところでしょう。
0枚にする思想は、機構翼のランダムにAFを埋めるというデメリットを意識したものになります。AFサーチカードの価値は、デッキ内のAFカードの純度、つまり狙ったカードを引けるかどうかに左右されます。なのでそれを乱す機構翼は避けたいわけです。
3枚にする思想は、AFネメシスの事故率の高さです。量産、オトメ、加速、マキナは序盤役に立ちません。AFサーチカードは、まずAFを埋めなければ使えません。つまり、最初に2コスでAFを埋めないと話にならないわけです。なのに、例えば魔鉄イカロスのみなら、2コスが実質6枚のデッキで、それは当然事故りやすいです。(ハーメルン込めれば9ですが)
2コスに向けた全力マリガンした場合、2Tまでに2コスのカードを引ける確率は次のように変わります。
- 6 75.54%
- 7 81.15%
- 8 85.61%
- 9 89.11%
参考:【シャドバ】テクニック講座 第5弾【ドロー確率編】【シャドウバース】 - Gamewith
機構翼0枚、2枚の構築を比べると、約10%の差がありますね。実際はさらにマリガンでマキナを探しにいくので、もう少し確率は落ちるでしょう(あるいはマキナの確率を下げる)。
ALT環境では異次元からの侵略が追加され、AFサーチの強化が行われたので、機構翼を採用しやすくなりました。
ハクラビ
上で紹介した構築では2枚になっています。0-3枚で人によってわかれるところでしょう。
7TにAF2枚を引いて突進させるようすを魔将軍・ヘクターになぞらえて、魔将軍・ハクラビと呼ばれたことがありました。
ALT環境以前では、4枚目以降のマキナだから抜けるはずがないと思っていましたが、ハクラビすら異次元からの侵略によって減らせるカードになってきました。なんとおそろしいカードなのだ、異次元。
ハクラビと異次元は、共鳴2枚AFドローの点では似ていますが、一長一短のカードです。異次元の方が4コストでコストパフォーマンスは良いのですが、最大の欠点が相手の場にフォロワーがいないと使えないということ。ハクラビならその心配はありません。一方で、ハクラビは出すだけでは盤面に干渉できない、マキナ後は狭い場を使ってしまうというデメリットがあります。
僕はALT環境のAFネメシスのデッキでは、ハクラビとリーシェナのどちらか一方を2枚積むのが良いと思っています。ハクラビの共鳴2ドローはパワーなので、進化権を使ってでも出す価値あるカードです。つまり、進化時効果は働かないが進化を要求するカードの枠として捉えられる、という話ですね。
破壊の絶傑・リーシェナ、機動鎧装、サタンAF
取るか?リーシェナプラン
OOTから追加されたカード。リーシャナとよく間違えられているがリーシェナ。
進化時に10コストの白き破壊のアーティファクトを加え、それを破壊コストダウンで下げて、黒き破壊のアーティファクトを出せばゲームに勝つ。宿命の語り部・ルーニィの滅亡の予言と似た扱い方のカードです。本体が破壊効果耐性を持っていて、知らない相手がフィルレインから加わる銀氷の吐息や炎の握撃を使ってくれることも、初期の頃はありました。
登場当初は、人形カードでコストダウンを狙った、リーシェナ人形ネメシスにのみ採用されるカードだったと記憶しています。ところが、へるんさんがRAGEでリーシェナ3枚採用したAFネメシスでファイナリストに進出したことから、AFネメシスにリーシェナを採用することが注目されてきました。
基本的には、あくまでもメインはマキナプラン。ただし勝ち筋がマキナのみに依存してしまうため、サブプランとしてリーシェナがあるという考え方になります。つまり、リーシェナAFではなく、AFネメシス+リーシェナというわけです。
僕はALT環境でも依然として強いカードだと思っていますが、ハクラビの方を優先しています。
OOT環境は蝙蝠ヴァンパイアが最強の時代。豊富な3点除去の対策として、先4で必殺体力4を立てておくのは有効でした。また、進化してダメージ軽減を持った狂恋の華鎧・ヴィーラを確実に倒せる手段としてリーシェナは使えます。
ALT環境ではヴァンプが減ったため、かつてほどの優先度はなくなりました。リーシェナプランは、結局十分なAFサーチカード、処理のための加速装置を引いていなければ成就できません。また、リーシェナそのものはマキナのサーチに何も関与しません。こうした理由からハクラビの方が安定感があって好みです。
でも、別にリーシェナプランを成就させなくても、つなぎとしてリーシェナを使って、マキナを引き次第マキナプランにするプレイは、弱くはないんですけどね。ネメシスというデッキは進化ターンの大型スタッツに対応しにくい(体力5以上がつらい)、特にロイヤルのヴェインや聖獅子ビショップの救済の聖獅子がつらいのです。でも、ロイヤル相手にリーシェナプランを取ろうとすると、魔導狙撃士・ワルツの浄化の聖弾に「消えな!w」と言われる悲しみ。記事執筆時点はロイヤルがそこそこいる環境なので、リーシェナには消極的になりますが、環境次第でしょう。
ALTの次の環境でAFの基本カードがローテ落ちしてしまって、それでもAFネメシスを組みたいときは、リーシェナプランは間違いなく候補になるでしょう。
ついでに、同じく4コストレジェンドの機動鎧装の話を。
4/3/4守護、進化時にコスト3以下のAFカードをデッキから場に出すカード。10枚以上AFカードが破壊されているなら直接召喚というおまけがありますが、その姿を見たものは誰もいないという……(たまに起こりますが、マキナの関係上デッキに残しておくのが難しい)。
リーシェナの代わりに3積んだ構築を使ったことはあり、使用感は悪くはないです。4,5進化できればマキナ到達を早めつつ盤面制圧できます。逆に言えば、進化が使えないとき、後半にゴミになってしまうのが欠点。
採用が検討されるのは、よほどのアグロ環境でしょう。ハクラビという進化権を使わずとも2ドローできる優秀なカードがあるので……。
さらについでに、氷獄の王・サタン、サタンAFについて。
基本的には、マキナ後に余ったPPで3コストアクセラレートによりコキュートスカードを埋めるのが狙いです。
サタンAFは最初はネタだと思っていましたが、試しに使ってみたらリーシェナプランに並ぶ強さはあると感じました。4枚目以降のオートメーションという認識で、マキナ後に詰め切る強さが増します。
ただし、マキナ前にずっと腐ってしまうという欠点は見過ごせません。ただでさえ腐りやすいカードの多いデッキなのに、その種のカードを足すのは疑問を覚えます(オートメーションはまだ序盤に使いうる)。また、加わるコキュートスデッキにランダム要素があり、ブン回ったときの強さには中毒性がありますが、AFネメシスはそういうガチャをしなくても強いデッキです。採用するにしても、1-2枚が現実的でしょう。
虚数物体
1度に受けるダメージを3まで減らす、バーンデッキに有効なカード。
OOT環境では蝙蝠ヴァンプが多かったので採用の価値がありましたが、ALTに入ってバーン一強環境ではなくなり、その価値は下がってきています。
アーカスネクロやレイサムロイヤルには、ほとんど効果を発揮しません。意味があるのがマナリアウィッチ対面ですが、もともとマナリアには有利がついていて、マキナを起動させれば10T前に勝つのは簡単です。
マナリアやサタンやリーシェナには確かに効果的で、それによって勝つプランを生むのはこのカードにしかできないことです。しかし、それ以外の対面、序盤で腐ってしまうことを加味すると、採用する価値を持たないでしょう。大ダメージバーン1強環境のときのみ使える、メタカードという認識です。
虚数物体は、OOTでは確かにAFネメシスが勝つためには必要なカードでした。でも、手札にあったところで盤面干渉にはつながらず、あってもなくても蝙蝠には負けます。OOTにおいて、ヴァンプはメタるデッキではなく自分で持つデッキでしょう(メタったところで根本的にメタりきれてない)。ウィッチのノヴァフレアに似ていて、メタカードの性質が強いものを入れないと勝てないようになってきたら、そのリーダー自体を辞めるのを検討した方が良いです。ALT環境に入って蝙蝠ヴァンプが弱体化し、さらにマナリアウィッチにもナーフが入ったため、AFネメシスは虚数なしで強デッキの仲間入りをしました。
採用するとして1枚(ピン)でしょう。虚数を多数入れれば確かにバーンの対策にはなりますが、そんなことよりノイズを減らして早期のマキナ起動を狙うほうがバーンデッキには強いです。
すり替わり、ティル、ロケットナックル、次元断
すり替わりは、3コスで3点消滅+1人形と、最強の除去カードです。
AFとのシナジーがないから……とすり替わり抜きのデッキを回してみたことがありますが、後手で負けます。ただでさえ2/2/2を安定して出しにくいデッキで、先行の相手に序盤で押されるのは主要な負けパターンです。つまり、すり替わりは後攻勝率の向上に大きく貢献しています。
世界の扉・ティルは、アクセラレート2で2点消滅効果を持っています。
9コスでデッキからAFカードを出す効果も悪くはないのですが、ALT環境において必要なものではありません。
ティルは採用すべきでないカードと考えています。なぜなら、アクセラレートで攻撃型・防御型ゴーレムというノイズを加えてしまうからです。後手2T2点は強いと思いますが、除去してしのいだところでマキナ到達が遅れてしまうのは本末転倒。デメリットがあっても使う枠はイカロスで間に合っています。ところで、4点消滅しつつ2枚AFを加えるどころか逆に引くカードがあると聞いたのですが……。
流体使いが使われないのと同じです。攻撃型・防御型ゴーレムはAFカードで一見すると弱くはないのですが、リソース供給のあるAFネメシスにおいてはエンハンスが邪魔です。除去カードとして見ても、ゴーレムは2コス3点ですが、AFネメシスには1コス3点という最強のAFカードがあるのでそれで足りています。軽コストのAFカードには、マキナと加速でPP回復の役割が後半生まれますが、ゴーレムにはそれがないのです。
ロケットナックルは、2コス3点ダメージ、手札にAFカードがあるならそれを捨てて6ダメージの除去カード。
3点除去として使うならばすり替わりの方が優秀で、すり替わり3枚あればAFネメシスの除去カードは足りています。
このカードの採用が検討されたのは、攻撃不能な原初の竜使いを使った原初ドラゴンがいた環境です。進化置きすると体力5になりネメシスでは処理不能になりますが、ロケットナックルならそれが取れるというわけですね。虚数同様メタカードであり、あまり強いとは言えないでしょう。
次元断は、2コス2点、共鳴なら4点の除去カード。初期のAFネメシスには採用されていました。ミリアムや異次元などAFサーチカードが増え、序盤から引いて盤面干渉できるようになったので、次元断の役目はなくなっています。
機構二輪の天使
3/3/3の強スタッツで、アナライズとエンシェントを埋めるカード。つまり、機構翼から序盤のハズレAFを除いてあるから使いやすい。
そう思っていた時期がありました。実際に使ってみると、AFを埋める3コストのカードがいかに使いにくいことか。そもそも2TにAFを埋めるのが理想で、3T以降はそのAFを引っこ抜きたいターンです。3に埋めていたらサーチは4以降になり、立ち上がりが遅くなってしまいます。4ターン目に2/2/2とくっつけられないのも最悪。同じく3コストで、一見すると圧縮につながりそうな鉄杖の機構士が採用されないのも同様の理由。
結論としては、機構二輪を入れるくらいなら素直に機構翼を入れましょう。4枚目以降の機構翼として機構二輪はありますが、AFネメシスにそれを4枚入れるスペースはありません。
一方で機構翼は、ノイズを生み出す懸念があるとはいえ、後半にレディアントを埋めるバリューを持っています。機構二輪を試してから、魔鉄やイカロスに劣り仕方なく採用するカードと思っていた機構翼が、神カードに見えてきました。
エンシェントブレイダー・ダイン
5/3/5突進全体1ダメージ、AFをたくさん破壊すれば全体5ダメージ。
破壊20コストの起動は無理だろと思っていましたが、レート配信でダインを採用している人を見てから、気になってきています。
使ったことがないので、試してみてから追記します。
AFネメシス楽しい! もう少しでAFネメシスの環境が終わってしまうのはもったいない。そうだ、AFネメシスを使いながら考えていたことを言語化しておこう……と思ったら、思った以上に長い文章ができあがりました。
マキナや加速の引けなさや重複を嫌ってAFネメシスを避けがちな人もいるかもしれませんが、ぜひこの記事をきっかけにAFネメシスの楽しさを味わっていただければと思います。
木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。
レート第7期後半戦振り返り
どうも、木村(@kimu3_slime)です。
レート第7期後半戦について振り返りたいと思います。自分用メモ。
結果
振り返り
使用リーダー
最初はヴァンプ・ネクロ、ついでネクロ・ドラゴン、最後はヴァンプ・ドラゴンを使っていました。
まず、BO3というルール自体の経験が少ないので、今回はそれを探る期間にできたらと考えていました。
ヴァンプ・ネクロ:最初は使用率の高いリーダーを使用。
ネクロ・ドラゴン:ヴァンプが下手くそで勝てないなと思いドラゴンに持ち替え。
ヴァンプ・ドラゴン:ネクロがヴァンプにもドラゴンにも五分~不利と思ったため。
という流れでリーダーを変えました。ヴァンプ・ドラゴンの持ち方は正しいと今も思うので、もっと早くこれに気づきたかったところ。
BO3では、相手のリーダーから2つを突破しなければなりません。上位リーダーの持ち込みが多いのですから、そこを突破できるかどうかで考えることになります。ミラーの相性は五分だとして、異なる上位リーダーの相性によって持ち込みを判断した方が良いでしょう。上位リーダーにすべて五分以上取れるなら持っていき得ですし、すべて五分以下ならあまりおすすめできないわけです。
そう考えたとき、ネクロはBO1では強いかもしれないけれども、ドラヴァンがいるレート環境では持ち込みが難しいのではないか、という結論に至ります。というかドラの使用率が増えたのはそれが理由でしょう。
ロイヤルというリーダーも気になっていますが、エーテル不足やデッキの理解度不足で持ち込んでいません。次期では聖獅子と合わせて使ってみたいです。
レートは回転率のゲームではない
途中、勝てずにリーダーやデッキをコロコロ替えて連敗してしまった時期がありました。1500前半を維持できていたのに、1400まで落としてしまったのはこれが原因です。
試合数を重ねてしまうと、システム上取り返しがつかなくなってしまいます。ランクマほどテスト持ち込みは甘くないんですね。
使用率のデータを見つつ、デッキやリーダーを検証するつもりで試合をした方が良いと思いました。ゲーム自体をプレイせずとも、より良いリーダーの組み合わせを冷静に考えて発見することで、勝率は上る可能性があります。
RDが65を割ると、対戦相手が強めで勝ってもレートが1試合で10前後しか変動しないので、やる気が無くなってきます。(ランクマと違い)1試合に時間はかけて良いので、「回す」感覚でプレイしないように注意したいと思いました。
まとめ
今回気づいた大きなことは、以下の通り。
- 使用率にまどわされてはいけない。環境を見て自分なりに勝てるリーダーを持ち込むべき。
- 練度不足を恐れて強いリーダーを使わないのはダメ(ヴァンプ)。練度は鍛えられるが、相性差は鍛えても限界がある。
- ランクマは回転率、レートは勝率。1試合に時間をかけ、考察を深めたほうが良い結果になる。
といったところでしょうか。ほかにもいろいろ気づきがあったので、別記事にしたいと思います。
木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。
カードゲームにおいて、プレイの一貫性・言語化・理由付けはなぜ重要なのか
どうも、木村(@kimu3_slime)です。
シャドウバース、というかカードゲーム全般において、プレイの一貫性・言語化・理由付けが重要だと思っているので、それがなぜなのか書きます。
ターン制=プレイングスキルは、判断能力のみ
アクションゲーム(ACG)とカードゲーム(CG)を対比させて説明しましょう。
- ACGは動的、CGは静的
- ACGは連続的な時間の中で操作、CGはターン制(非連続的な時間)の中で操作
- ACGがうまい=操作がうまい+判断がうまい、CGがうまい=判断がうまい
アクションゲーム、シューティングゲーム、格闘ゲームでは、どんなに優れた判断ができたとしても、それに操作が追いつかなければうまくなることはできません。ダッシュで段差を乗り越えるべきということがわかっていたとしても、ダッシュ+ジャンプの入力方法がわからなければ攻略できないでしょう。
一方で、カードゲームでは操作のスキルが求められません。プレイングの選択肢は多いですが、判断さえできてしまえば、プレイング自体に難易度はありません。つまり、操作スキルが不必要な分、判断スキルが問われるゲームと言えます。
僕はカードゲームのプレイングにおいては、判断がすべてだと思っています。
「運」に頼らない確率的な判断力
カードゲームは、例えば格闘ゲームに比べて、ランダム要素が含まれています。
100%同じ入力を再現すれば同じゲームが再現できるのが格闘ゲームだとして、カードゲームでは100%同じ入力をしてもゲーム(乱数)が変われば結果は変わります。
カードゲームは、結果にランダム要素が影響する。これを揶揄した言葉が、運ゲーです。シャドウバースの場合、じゃんけん、メンコ、先行ゲー、上振れなどといったスラングもあります。
僕は、カードゲームを運ゲーと捉えていては、判断が上達することはないと思っています。某世界王者もこう言っています。
今環境運ゲー運ゲーって言ってる人はいつの環境も運ゲー運ゲー言ってるよ
— 紅茶/PaR (@_blacktea_sv) October 8, 2018
先ほど指摘したように、運要素があるのはカードゲームである以上当たり前です。その運は、相手にだけ有利に働くものではなく、自分と相手に平等に働いています。誰かが特別に運が悪いなんてことはありえないのです。
新たなドローによって不利状況を脱出した(トップ解決)ときにも運ゲーと言われることがあります。もちろんドローには運要素があります。しかし、その試合中にドローカードを多くプレイしていたら、そもそも構築としてドローカードを多く採用していたら、トップ解決できるような状況を事前に作っていたとしたら、それは実力と言えるでしょう。
運要素が含まれるゲームですから、勝率100%のプレイヤーは存在しないでしょう。しかし、勝率40%のプレイヤーと、勝率60%のプレイヤーなら、後者がうまいのは明らかです。
後者は運に対応しながら、できるだけ自分に有利になるようなプレイができているわけです。ランダム要素をプレイによって干渉できない運と考えるのではなく、判断の基準にするために確率と捉えることで、勝率を高めることができるでしょう。
カードゲームである以上、ランダム要素は毎回試合に含まれます。それを運ゲーと否定するのではなく、確率的に判断をして勝率を高められるのがうまいカードゲームプレイヤーではないでしょうか。
言語化・理由付けがもたらすプレイングの一貫性
さて、確率的な判断をうまくしていくためにはどうすれば良いのでしょうか。
誰でも確実に最低限できることが、プレイングに一貫性をもたせること、そのための言語化と理由付けだと思っています。
例えば、マリガンの基準が定まっているか定まっていないかなら、定まっている方がうまくなりうるでしょう。同じリストが来ているのに気分でプレイを変えていたら、ただでさえ確率が含まれるゲームに、気分という乱数すら含まれてしまいます。なんとなく打つ手を変えるということは、カードゲームにおいては判断していない、運任せにすることに近いです。
プレイングを定めてプレイしてさえいれば、判断は上達します。定めたプレイングによりもたらせる結果が悪いとわかってきたら、修正して試せばいいからです。定める試す修正する、いわゆるPDCAサイクルを回すようなことをすれば、判断は着実にうまくなっていきます。一貫性がなければ、いくら試して修正しても、ブレブレのままです。
プレイングに一貫性を持たせるために有効なのが、プレイングの言語化と理由付けです。
「マリガンで基本的にこのカードは返すor返さない。先行なら?後攻なら?対面のリーダーによっては?」カードゲームのプレイングは、手なりでプレイしていては選択肢が多く一貫性を持たせられないかもしれません。言語化する、自分なりにルールを予め明白にしておくほうが、確実でスピーディな判断ができるでしょう。
言語化に加えて行えると良いのが、理由付けです。マリガンはどうしてそういう基準になったのか、デッキ構築はどうしてそうなのか、1枚1枚理由が説明できた方が、プレイは確実になります。理由付けがなければ判断に迷い、時間切れや非一貫プレイを招きます。また、理由付けはプレイングの修正のときにも役に立ちます。
たとえその理由付けの内容が間違っていたとしても、「仮説Aは間違っていた、だから次は仮説Bを試そう」と言ったように、より精度の高いプレイングを探すことができます。もしここで理由付けがなければ、「プランAを試した、次はBを試そう、AもBも試したけどどっちが良いかわからない」ということになりかねません。理由付けを的確にできるプレイヤーは、上達が早いでしょう。
まとめ
- カードゲームは操作の介在しない判断のゲーム
- 運のせいにするではなく、確率によって判断する
- 一貫したプレイによって判断は上達。そのための言語化・理由付け
シャドウバースの配信を見ていても、一定以上の実力を持っている人は、言語化・理由付けの能力が高いなと感じます。実力のあるプレイヤーは、たとえ話すのがうまくないとしても、頭の中では言語化・理由付けを行っているはずです。そうでないのに勝てるタイプのプレイヤーもいるかもしれませんが、凡人たる我々が試すべきはまずプレイの一貫化・言語化・理由付けでしょう。
言語化や理由付けが得意かどうかは人によりますし、それがうまくなくても結果を残せれば問題はありません。ただし、僕はそうした考え方があった方が(ないよりは)カードゲームをうまくなることができるのではないかな、という話です。
木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。
デッキの作り方、デッキ作りの基本的な考え方
どうも、木村(@kimu3_slime)です。
僕なりのデッキ作りの基本的な考え方を紹介します。
自作するのはコピーデッキに慣れてから
まずは自分で作るよりも、コピーデッキしたほうが良いと思います。自分でデッキを作るのは次の段階の話。
参考:環境に合った 強い or 連勝 デッキの探し方 - 木村すらいむのシャドウバース用ブログ
「固定枠」を決めてから、「可変枠」を入れる
さてデッキの作り方。ものすごく当たり前の話かもしれません。
- デッキの基礎となる基本カード、固定枠を決める。
- 環境などを考えながらカードを足していく、可変枠を加える。
- デッキを実際に使いながら、可変枠の枚数を調整していく。
という流れです。
例を実際に見てみましょう。(カードプール、環境はOOTに準拠してます)
ギガキマウィッチ
ギガントキマイラウィッチの固定枠です。
フィニッシャーとなるカード、ギガントキマイラを入れます。
真実の宣告もギガントキマイラと並ぶ優秀なフィニッシャーと考えているため、これも入れます。これでフィニッシャーが決まりました。(フィニッシュプランの決定)
このフィニッシュプランを実現するために必要なカードを考えます。
スペルブーストが必要です。つまり、スペルによってドローするカードが必要です。
ここで、運命の導き、精神統一、知恵の光、マナリアの知識、マジックミサイルが入ります。
フィニッシュプランに進むばかりでは、相手に盤面を作られて負けてしまいます。除去カードが必要です。
ウィッチにはスペルブーストと噛み合う優秀な除去、ウィンドブラストと炎の握撃があります。
これで27枚の固定枠が決まりました。
フィニッシャーとして暗黒のキマイラを採用する場合や、ギガキマ抜きプランのデッキを作るときも、ここから考えれば良いでしょう。
この固定枠に、可変枠を加えたデッキの例が次の画像です。
環境的にロイヤルが多かったので、フレイムデストロイヤーを採用しています。フレデスを採用するならば進化権をマジックオウルに使って、5-7Tでのボード逆転が狙いやすくなります。
ノヴァフレアはロイヤルやネクロを見て、熾天使の剣はヴァンプやネクロやビショップを見て入れています。この枚数は、環境を見て調整すると良いでしょう。
ヴァンプが多ければ、フレデスを出している余裕がないかもしれません。フレデスなしの構築は次のようになるでしょうか。
熾天使、グランドスピア、ヴェスパーで序盤除去を強化しています。進化権はマジックオウルで切りたいですね。後手の除去と回復となるカリオストロを入れるのも良いでしょう。
ランプドラゴン
もうひとつだけ例を挙げましょう。僕はランプドラゴンの固定枠を次のように考えています。
まず、ランプして強い・フィニッシャーとなる、アジ・ダハーカ、ポセイドン、ガルミーユが入ります。
次いで、ランプ(PPブースト)ができる強めのカードとして、竜剣の少女・アイラ、託宣、ロイが入ります。
今期のドラゴンはドローソースが課題です。侮蔑の従者、ガルア、天なる大河、まどろみの白竜などがありますが、これらよりも純心の歌い手が優秀なドローソースと判断しています。
除去カードとしてはフィルレインを固定枠として考えました。
可変枠の例としては次のようになります。
ガルミーユにより点数が削れると考え、侮蔑ギミックを活かしたのが次の侮蔑デッキです。息切れはしやすいですが、噛み合えばかなりキルターンが早いです。
ロイヤルが増え、蝙蝠ヴァンプが減り、フィニッシュターンが遅くなったときは、次のような遅めのランプデッキも考えられるでしょう。
狂えるドレイク、ゾーイなどを加え、(ウィッチを除く)遅めのデッキにパワーで負けない構成になっています。
まとめ
固定枠は、デッキの軸、デッキタイプを決める最低限のカードです。これに可変枠を柔軟に加えてデッキができていると僕は考えています。
デッキコピーをしてから自分なりに調整するときも、どのカードが固定枠でどのカードが可変枠なのかが見抜ければ、強さを損ねずにデッキが変更できるでしょう。
何が固定枠かわかるということは、デッキの強み・そのデッキでやりたいことがわかるということです。それがわかっていれば、マリガンの判断もしやすくなるかと思います。
木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。
環境に合った 強い or 連勝 デッキの探し方
どうも、木村(@kimu3_slime)です。
シャドウバースで使える 強いor連勝 デッキの探し方を紹介します。
常識的な情報も含まれていますが、自分用の整理・評価の意味でまとめました。
下に行くほど僕が後に知った情報です。敬称略。
まとめサイト
Googleで「シャドウバース デッキ」と検索するとたどり着くのがこれらのサイト。
利点:昔のデッキ、環境外のデッキ含めてあらゆるデッキのレシピが手に入る。デッキコードがあるのでコピペしやすい。
難点:情報が更新されておらず古い(ことがある)。
YouTube・ニコニコ動画
なんとなくシャドバをやっていた頃よく見ていた。好きな人のを見れば良いと思う。
僕が見ていたのはかものはし、淫夢バース、カクテル、マグロヘッドなど。
利点:デッキの使用感が見れる。
難点:うまくいった動画しかアップされていない可能性がある。デッキの強さより面白さが優先されていることがある。
Twitterの連勝デッキ
今も使っていて、気楽で安定な方法。「リーダー名 連勝」「デッキタイプ 連勝」などでTwitter検索すれば良い。
利点:鮮度の高い情報が多い。流行りのデッキタイプ、構築がわかる。連勝実績が強さの参考になる。
難点:連勝報告がA or AAランク or 偽造のこともある。連勝しているが運が良いだけなのか、細部を見ればよくわからない構築のこともある。
Openrec
プロプレイヤーや、シャドウバースにおいて何らかの実績(大会優勝経験、ランキング上位)を持っているプレイヤーが多く集まっている配信サイト。
利点:強い人が実際に使っているデッキがわかる。流行っているデッキタイプ、環境評価などを聞くことができる。
難点:「人を集めている=強い」ではない。いつでも参考になる配信があるわけではない。
RAGE
RAGEは、Cygamesの関連会社CyberZが主催する年4回の公式大会。一般プレイヤーが多数参加できる。
「RAGE デッキ」などでGoogle検索すれば、強者のデッキリストが手に入る。
参考:【Shadowverse:デッキリスト公開】RAGE Shadowverse Brigade of the Sky GRAND FINALS
利点:数千人から選びぬかれたデッキが手に入る。シーズンごとにどのデッキがどのくらい勝ち上がるか、環境がつかめる。
難点:年4回の情報なので、直後以外は古くなってしまう。
プロリーグ
プロリーグは、RAGEファイナリストなど実績を持ったプロプレイヤーが、チームで戦うイベント。
選ばれたプレイヤーのみが参加し、月1程度の頻度で戦いながら、半年程度かけて結果を競う。
利点:うまいプレイヤーが多いため、勝てる or 安定した構築が見られる。
難点:対戦相手ならではのメタ、選手独自の調整が見られることがあり、使いやすいとは限らない。見られないデッキタイプもある。
JCG
JCG Shadowverse Openは、e-Sportsの大会を多数主催するJCGが行う公認大会イベント。
週1程度の頻度で行われていて、オンラインで参加できる。頻度の高いRAGEというようなイメージ。
利点:情報の鮮度がそこそこあり、かつ勝利しているプレイヤーのデッキがわかる。
難点:サイトが若干見づらい。
レーティング
Ratings for Shadowverse(通称:レート)は、BO3ルールで不特定多数のプレイヤーと対戦し強さ(レート)を計測できるサービス。シャドウバース本家には公認されていない。
大会など限られた対戦数で強者を決めるのではなく、レート(≒勝率が反映されたものとなりやすい)によって強者が決まるので、本物の強者が集まる(と考えられている)。
レーティング上位者が参加する大会・レーティング杯のデッキは公開されています。
参考:【シャドウバース】レーティング上位32名!第6回Ratings杯 試合結果・出場選手・使用デッキ - シャドウバース攻略まとめWiki - GameBox
利点:完成度の高いデッキが多数公開されている。上位プレイヤーのTwitterを知ることができる。
難点:RAGE同様、更新頻度が高くない。レーティング環境がランクマッチ環境と異なることがあり、ランクマッチに適しているとは限らない。
まとめ
僕が使っている情報収集の手段をまとめると次のようになります。
- 「今」の環境に合ったデッキ:Twitter検索、オープンレック
- 隠れた強いデッキの発掘:RAGE、JCG、レーティング
久しぶりにシャドウバースをプレイするなら、RAGEやプロリーグのデッキもスタンダードなものとして参考にしやすいでしょう。
勝てないデッキを持ち込んでは、どんなにプレイングがうまくても勝率は悪くなります。まずはデッキをコピーしてみることが、上達の近道となるでしょう。
デッキの中身だけでなく、環境評価やプレイの考え方まで知りたいなら、レート上位者・オープンレック配信者・プロプレイヤーのTwitterも参考になります。
木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。